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細胞外フラックスアナライザー XFe24/XFe96

複合領域・汎用心血管領域神経科学領域腫瘍・がん研究

神経疾患研究におけるミトコンドリアエネルギー代謝機能評価

ミトコンドリア機能不全は、障害性の神経可塑性、ニューロン変性、細胞死を引き起こし、近年ではアルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体型認知症、パーキンソン病等の神経変性疾患の鍵となる要素として認識されてきました。

Agilent Technologies (旧Seahorse Bioscience)社製 細胞外フラックスアナライザー XFは、細胞に対して無侵襲な計測が可能であるため、生きた細胞のミトコンドリア機能の評価を行うことができます。 本ページでは、神経疾患研究におけるミトコンドリアのエネルギー代謝機能を評価した実例をご紹介します。

※細胞外フラックスアナライザーXFを用いた神経疾患研究関連の論文は、 Agilent Technologies社ウェブサイトにも多数紹介されています。

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ニューロンにおけるミトコンドリア障害の検出

ミトコンドリアの変化は、パーキンソン病(PD) の発病と長い間関連付けられてきました。ロイシンリッチリピートキナーゼ2 (LRRK2) のグリシンからセリンへの変異(G2019S) は、PD の最も一般的な遺伝子的な原因で、複数のモデル系でミトコンドリアの機能と形態を損なうことが示されてきました (Ryan, B.J, et al. 2015, Yue, M. et al. 2015)。 Schwabと同僚はXF Cell Mito Stress Test を用いて、ミトコンドリア呼吸がLRRK2 G2019S iPSC 由来ドーパミン作動性およびグルタミン酸作動性ニューロンにおいて減少することを証明しました (Schwab et al. 2017)。特に、ATP産生、最大呼吸および予備呼吸能の指標での減少が非常に明確でした。

左) XF Cell Mito Stress Test アッセイ・デザインと標準的なアウトプット指標。右) XF Cell Mito Stress Test を用いることにより、LRRK2 G2019S iPSC由来ドーパミン作動性およびグルタミン酸作動性の培養がそれぞれのコントロール培養と比較して(A) ATP 産生、(B)最大呼吸、(C)予備呼吸能の減少を示すことが明らかになった。注:LRRK2 G2019S iPSC 由来感覚ニューロンは、突然変異の影響を受けない (Schwab et al. 2017)。

Application Note: Gaining Insights into Disease Biology for Target Identification and Validation using Seahorse XF Technologyより引用

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神経前駆細胞(NPCs)からの初期ニューロン分化過程における細胞遷移の同定

正常な末梢神経の発達過程の代謝要求性と異常な神経形成を引き起こしうる代謝障害を理解することは、神経前駆体/幹細胞 (NPCs)分化過程と末梢神経成熟過程の新たな代謝のチェックポイントを提供し、ニューロパチーのためのターゲット治療ストラテジーの開発にもつながる可能性があります。

生きた神経前駆細胞(NPCs)と分化型ニューロンの細胞代謝の変化は、Seahorse XF テクノロジーを用いて調べることができます。これらの細胞のミトコンドリア機能は、XF Cell Mito Stress Testを用いて計測可能です。細胞の解糖活性は、細胞外酸性化速度(ECAR)を計測し、そこからプロトン流出速度 (PER) を算出する XF Glycolytic Rate Assayを用いて評価できます。特に、HEPESの緩衝能を加えたアッセイ条件を適用することにより、解糖のみに依存するPERを glycolytic PER (glycoPER) として評価することができます。



Figure 1:初期のNPC分化過程の感覚ニューロン分化タイムラインと細胞の代謝プロファイル。(A) iPSCsから機能的な感覚ニューロンまでの分化プロトコルを示す模式図。iPSCsからNPCsへの分化は、胚様体法を用いて行った。分化を経験したNPCsは、day 4で分離し、Ara-Cを含む / 含まない Matrigelコーティングした細胞培養ディッシュに再び播種した。(B) 初期のNPC分化過程の代謝の変化。ミトコンドリア呼吸と解糖を、初期のNPC分化過程の特定のタイムポイントにおいてそれぞれXF Cell Mito Stress TestとXF Glycolytic Rate Assay Kitで計測した。エラー・バーは平均±標準偏差 (n=26) としてレポートされた。

これらの細胞の代謝指標は、初期のNPC分化過程におけるニューロン遺伝子発現と一致していました(data not shown)。分化過程におけるニューロンのXF Cell Mito Stress TestとXF Glycolytic Rate Assayを用いた代謝プロファイリングは、この技術が神経分化タイムラインの間の細胞遷移を反映する代謝の遷移を同定するために用いることができることを証明しました。したがって、これらのアッセイは、末梢ニューロンの分化の道筋を予測するためのステップとなる計測を提供します。

Figure 2:初期のNPC分化過程での解糖からミトコンドリア呼吸へのシフト。ミトコンドリアOCR (mitoOCR) と解糖の PER(glycoPER) の比は、特定のタイムポイントにおけるXF Glycolytic Rate Assay データから GRA Assay Report Generator を用いて算出された。エラー・バーは平均±標準偏差としてレポートされた。(n=26; ****p<0.00001; ***p<0.0001; **p<0.001)

Application Note: Metabolic Phenotyping to Identify Cellular Transitions During Early Neuronal Differentiation from Neural Precursor Cells Using Seahorse XF Technologyより引用

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外傷性脳損傷や脊髄損傷の治療の評価

軽度な外傷性脳損傷や脊髄損傷が重症化する際の特徴として、ミトコンドリアの機能障害が知られています。エネルギー産生の中心的な役割を果たすミトコンドリアは、様々な細胞内シグナルの制御の役割を担っており、その機能が損なわれることで細胞内代謝ネットワークに影響を与えます。
これまで神経変性疾患を含むいくつかの疾患の発症や進行に、ミトコンドリア障害が重要な役割を果たすことが報告されてきました。そのため、ミトコンドリア障害に対する処置が外傷性脳損傷を軽減する可能性を持つ治療法として注目されています。

【実験概要】
ミトストレステストを行い、OCRや各パラメータを比較

【試料】
不死化マウス脳血管ペリサイト細胞(ImBPCs)を 33℃、5%CO2で24時間培養
※ImBPCs: Immortalized mouse cerebral pericyte cells



分子水素処理が、不死化マウス脳血管ペリサイト細胞(ImBPCs)におけるミトコンドリア呼吸を増加させる。
左)分子水素処理した細胞(赤)は、処理していないコントロールの細胞(青)と比較し、高いOCRを示す。
右)ミトストレステストにより得られた、呼吸の各パラメータの比較解析。

Reference: Dohi et.al. Molecular hydrogen in drinking water protects against neurodegenerative changes induced by traumatic brain injury. PlosOne. 2014. 9(9): e108034.

Application note: Assessing therapies for traumatic brain or spinal cord injuries. より抜粋

※細胞外フラックスアナライザーXFを用いた神経変性疾患研究関連の論文は、 Agilent Technologies社ウェブサイトにも多数紹介されています。

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Webinarオンデマンド:神経疾患研究におけるミトコンドリア代謝の役割 (ライブ実施日時:2021/6/4)



[Webinarオンデマンド配信 ] ライブ実施日時:2021/6/4

さまざまなケーススタディを交えながら、神経疾患とミトコンドリア代謝の関係性、およびSeahorse XFテクノロジーの特徴についてご紹介します。

  • Seahorse XFテクノロジーのご紹介
  • ・ミトコンドリア代謝の重要性と、神経疾患における代謝の役割
  • 神経疾患研究におけるSeahorse XFの応用例

※ 上記画像をクリックいただくと、Vimeoサイトが開きます。お名前等をご入力の上視聴ください。

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