酵素フリーで組織からシングルセルを迅速に解離
組織粉砕・解離装置 TIGRは、酵素を使用しない独自の方法で、組織からシングルセルを迅速に解離することのできる装置です。酵素を使用せず、組織を穏やかに粉砕するため、膜タンパク質の切断を避けることができます。シングルセルの解離に要する時間は、わずか5分以内です。並列運転が可能な4つのスロットにより、ハイスループットな組織解離を可能にします。特別に設計されたチューブは、滅菌されたシングルパックで提供され、コンタミネーションのリスクを軽減します。
特長
- 酵素フリー
- 細胞へのストレスを低減
- 特許技術(EU、US、CN)の穏やかな組織粉砕法
- 所要時間わずか5分以内
- 4スロットのハイスループット
- コンタミネーションを最小限に抑える統合ワークフロー
- 使いやすいソフトウェアとカスタマイズ可能なプロトコル
- 様々な組織における使用実績あり:
肝臓、肺、心臓、腎臓、脾臓、胃、結腸、膵臓、リンパ節、皮膚*、FFPE*、脳*、膀胱*、甲状腺*、扁桃腺*、前立腺*、子宮内膜*、卵巣*、直腸* *これらの組織タイプではプロトコルの最適化が必要な場合があります。 |
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TIGR(赤)は酵素による解離(青)の欠点がなく、高い収率と生存率を得られます。 | | ソフトウェア画面 |
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原理
TIGRは、標準的な細胞培養用消耗品である50ml遠心チューブや標準的なセルストレーナーと互換性があり、組織サンプルを非酵素的、機械的、並列的に、わずかな処理時間を短縮して処理することができます。
TIGRは卓上型装置と無菌でディスポーザブルの粉砕チューブ、コアユニットとセルストレーナーが一体化したもので構成されています。ローターとステーターインサートの2つの部分からなるコアユニットには、逆回転する粉砕歯が装備されています。歯が自由に回転することで、組織サンプルを自由空間に引き込み、適切な強さの剪断力と粉砕力によって、組織からシングルセルを穏やかに分離します。粉砕歯と粉砕歯の間の空間とフィン状の形状により、生存可能なシングルセルを効率的に抽出することができます。ステーターは動かない部分ですが、ローターはカスタマイズ可能なプログラミングによって双方向に動くため、細胞組織をユーザー定義で制御しながら解離することができます。
実験プロセスの時間、回転方向、加速度、速度、プロセスステップ数を調整できるため、あらゆる用途に対応した実験プロトコルを作成することができます。TIGRによるシングルセルの解離は5分以内で完了し、他の手法と比較して時間が大幅に短縮されます。
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細胞の機能や形態を維持する非破壊的なシングルセル解離
最小限のストレスでアポトーシスのない迅速な結果 |
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腫瘍マーカーの迅速な可視化 3検体における膵がんマーカーSMAD 4、p53、CK19の発現について、組織粉砕法(TG)とexplant法(処理後6週間)を比較。 | | 最小限のストレス反応 Tissue Grinderで処理されたがん組織。処理直後、24時間後、48時間後のサンプルを解析した。切断されたcaspase3が見られないことから、アポトーシスが起きていないことを示す。 |
Stefan Scheuermann et al. (2022) “TissueGrinder, a novel technology for rapid generation of patient-derived single cell suspensions from solid tumors by mechanical tissue dissociation” Front. Med., Vol. 9 DOI: 10.3389/fmed.2022.721639 |
関連する細胞タイプとマーカーを維持 |
Tissue Grinderを用いて解離したマウス肝細胞を、RT-FDC (Real-time Fluorescence and Deformability Cytometry)を用いて解析。散布図は輝度vs細胞サイズ。 多数の細胞クラスターが見られ、マークされた細胞クラスターは、大きさは25-50μm
2、輝度平均100-115。EpCAM陽性細胞(上皮細胞)に富むが、CD31陽性細胞(内皮細胞)やCD45陽性細胞(白血球)は認められない。
Despina Soteriou, Markéta Kubánková, Christine Schweitzer et al. (2023) “Rapid single-cell physical phenotyping of mechanically dissociated tissue biopsies” Nat. Biomed. Eng. DOI: 10.1038/s41551.023.01015.3
非破壊的な解離で細胞集団を維持 |
TIGRで解離したマウス結腸をRT-FDC (Real-time Fluorescence and Deformability Cytometry) で解析。EpCAMおよびCD45細胞表面マーカーで染色した細胞の散布図を示す。EpCAM陽性集団の中に7つの細胞集団が識別できる。
Despina Soteriou, Markéta Kubánková, Christine Schweitzer et al. (2023) “Rapid single-cell physical phenotyping of mechanically dissociated tissue biopsies” Nat. Biomed. Eng. DOI: 10.1038/s41551.023.01015.3
サイズと形態の変化の解析が可能 |
Transfer colitis組織サンプル(TC)と健常マウス結腸組織(Control)からTIGRを用いて分離した細胞の物理的表現型。 a. transfer colitis組織サンプル(TC)と健常マウス結腸組織(Control)から分離した細胞の、細胞サイズ vs 変形の散布図。対応する細胞サイズと変形ヒストグラムを含む。b. CD45陽性細胞についてゲーティングした同じ2つの結腸サンプル。Transfer colitisサンプルに白血球が多く、物理的表現型パラメーターの変化を伴うことを示す。散布図中のカラーマップはイベント密度を表す。
Despina Soteriou, Markéta Kubánková, Christine Schweitzer et al. (2023) “Rapid single-cell physical phenotyping of mechanically dissociated tissue biopsies” Nat. Biomed. Eng. DOI: 10.1038/s41551.023.01015.3
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製品ラインナップ
製品名 | 型式 |
組織粉砕・解離装置 TIGR | 990700 |
消耗品 製品名 | 型式 |
10個セット | 50個セット |
TIGRgrinder 40µm | 990701(10) | 990701(50) |
TIGRgrinder 70µm | 990702(10) | 990702(50) |
TIGRgrinder 100µm | 990703(10) | 990703(50) |
TIGRgrinderS 40µm(滅菌) | 990704(10) | 990704(50) |
TIGRgrinderS 70µm(滅菌) | 990705(10) | 990705(50) |
TIGRgrinderS 100µm(滅菌) | 990706(10) | 990706(50) |
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References
Despina Soteriou, Markéta Kubánková, Christine Schweitzer et al. (2023)
Rapid single-cell physical phenotyping of mechanically dissociated tissue biopsies Nat. Biomed. Eng. DOI: 10.1038/s41551.023.01015.3 (
)
Stefan Scheuermann, Jonas M. Lehmann, Ramkumar Ramani Mohan et al. (2022)
TissueGrinder, a novel technology for rapid generation of patient-derived single cell suspensions from solid tumors by mechanical tissue dissociation Front. Med., Vol. 9 DOI: 10.3389/fmed.2022.721639 (
)
Despina Soteriou, Markéta Kubánková, Christine Schweitzer et al. (2021)
Single-cell physical phenotyping of mechanically dissociated tissue biopsies for fast diagnostic assessmen medRxiv DOI: 10.1101/2021.11.30.21267075 (
)
Stefan Scheuermann, Armin Schäfer, Jens Langejürgen, Christian Reis (2019)
A step towards enzyme-free tissue dissociation Current Directions in Biomedical Engineering, Vol. 5, No. 1 DOI: 10.1515/cdbme.2019.0137 (
)
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