≪ 動脈血酸素飽和度の算出 ≫一般的なパルスオキシメータと同様、赤色光 ▪ 赤外光を用い、血液中のヘモグロビンの酸化度合による光の吸収変化から算出します。
ヘモグロビンは、酸化することにより赤外光の吸収が増え、逆に赤色光の吸収が減ります。一方、ヘモグロビンが還元することにより赤色光の吸収が増え、逆に赤外光の吸収が減ります。
この性質を利用し、対象動物の計測部位(頸部または、後肢大腿部、後肢掌部等)をセンサークリップで挟み、発光ダイオード (LED) による赤色光 ▪ 赤外光の照射と、フォトダイオードによる、透過した光の検出を行います。 フォトダイオードで検出した赤色光と赤外光の光の強度の比から、酸素飽和度を求めることができます。
検出した赤色光 ▪ 赤外光の信号波形のディスプレイの他、算出された酸素飽和度等の波形 ▪ 数値が、ソフトウェアのモニタリング画面に表示されます。(右下画像参照。クリックすると大きな画像を表示できます)
≪ 心拍数の算出 ≫フォトダイオードで検出した赤外光信号を高速フーリエ変換 (FFT) し、最大ピークを持つ周波数帯を抽出することにより、心拍数を算出します。
≪ 呼吸数の算出 ≫フォトダイオードで検出した赤外光信号の高速フーリエ変換 (FFT) 後の信号から、心拍動に関連する成分を除去(最大ピークより大きい周波数帯にかけての信号を心拍動関連とし、それらを除去)し、最大ピークより小さな周波数帯における最大ピークを呼吸関連信号とすることにより、呼吸数を算出します。
≪ Pulse Distention / Breath Distentionの算出 ≫上記の信号成分を、酸素飽和度の算出と共に、光の物質による吸収を定式化した、ランベルト・ベールの法則(Beer′s law) を用いて計算し、距離単位(μm)で表したものが Pulse Distention / Breath Distention です(表示される数値は平均化されます)。
∗右上画面は、呼吸の振幅(oscillation) ▪ 呼吸信号の周波数を表す Bleath Plethysmograph に、心拍数と呼吸信号の合成波形を重ねて表示した画面です。
Pulse Distention は、 S
pO
2 計測時、計測するのに充分な量の血流が存在するかどうかの指標に利用すると共に、
末梢血流における、心拍動または血管の状態の影響を受けた変化をモニタリングする為に利用します。
Breath Distention は、動物の呼吸のしやすさの状態を確認するために利用でき、麻酔深度やベンチレータの管理に
おいて有用です(閾値によるアラーム設定も可能)。 また、それぞれ、脈拍圧 ▪ 胸腔内圧の代用指標としての利用可能性も考えられます。
≪ 体温の算出 ≫直腸温用プローブを使用して検出した温度を、リアルタイムで表示します。単位は、℃(デフォルト)またはFを選択可能です。
≪ 活動量の算出 ≫活動量は、動物の体動有無の指標(0または1)検出となります。∗覚醒下用オプション使用時に利用可能です。
利用時は、PulseDistentionの代わりに活動量(0または1)が表示されます。
画像または文字をクリックすると、Youtubeサイトに遷移します。
※ナレーション:英語
※( )内の時間は動画の長さです。(mm:ss)
手術中のバイタルサインモニタリング、麻酔管理、循環 ▪ 呼吸研究(COPD ▪ 肺気腫等のモデル動物作成時、酸素飽和度のモニタリングによる換気能評価等)におけるツールとして、あらゆる動物実験の場でお使い頂けます。
- インフルエンザ・肺炎・SARS-CoV-2・RSV(呼吸器合胞体ウイルス、RSウイルス:respiratory syncytial virus)、
その他急性呼吸器障害 - 肺損傷、機械的人工換気
- 肺癌・COPD・睡眠時無呼吸症候群、その他慢性呼吸器障害
- ショック・モデル
- 脳卒中及び脳外傷
- 高血圧・低血圧、その他心血管疾患
- 低酸素及び吸入研究
- イメージング実施中のバイタルサインモニタリング
- 麻酔下手術・実験中のバイタルサインモニタリング
- 薬理学及び毒性学
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MouseOx® PLUS構成品 ▪ MouseOx PLUS本体
▪ ユニバーサル ▪ ケーブル (180cm)
▪ クリップセンサー×2個 (サイズ・種類を選択)
▪ USB2.0ケーブル(3.6m) ▪ 120V電源アダプタ
▪ ソフトウェアCD(標準付属:ベーシックモニタリングモード)
▪ 取扱説明書
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MouseOx® PLUS仕様 原理 ▪ 方式 | 発光ダイオード(LED)により赤色光 ▪ 赤外光を計測部位組織に透過させ、 フォトダイオードで 検出 (透過型) |
電源供給仕様 | 100-240 VAC / 50-60 Hz |
作動電圧 | 12 VAC |
アナログ出力(*) | +/- 5V リアルタイム Pulse Pleth 信号出力 |
データ出力形式 | テキストまたはWindaq形式(**) |
(*) アナログ出力はオプションです。
(**)MouseOx
® には、Dataq Instruments 社製 Windaq データ取得 ▪ 解析ソフトウェアが付属しています。
MouseOx® PLUS本体サイズ ▪ 重量 | 15.2 x 11.8 x 3.8 cm / 312g |
ユニバーサルケーブル長さ | 1.8 m |
USBケーブル長さ | 3.6 m |
電源アダプタケーブル長さ | 1.9 m |
遮光シートサイズ | 12.5 x 10 cm |
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コンピュータ要件 CPU | Pentium Core i3 クラス以上 |
メモリ | 8MB 以上 |
ポート | USB 2.0/3.0 x1(Multiplexer/StarrLinkは別途必要) |
ディスプレイ解像度 | 1024 x 768 pixels以上
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OS | Windows 8.1/10 (32bit・64bit) ※2022年5月現在、XP, Vista, 7と互換性がありますが、予告なく変更される場合があります。 |
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計測パラメータ仕様≪ 動脈血酸素飽和度 SpO2 ≫ 計測時脈拍条件 | 90~900BPMの範囲内 |
計測範囲 | SpO2:0~100% |
分解能 | 1.5% 以下(計測範囲内同一) |
応答時間 | 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎) |
≪ 心拍数 Pulse Rate ≫ 計測範囲 | 90~900BPMの範囲内 |
応答時間 | 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎) |
≪ 呼吸数 Breath Rate ≫ 計測範囲 | 25~450BrPMの範囲内 |
応答時間 | 1.7秒毎 (更新時前10呼吸に対する移動平均) |
≪ Pulse Distension ≫ 計測範囲 | 0~800μmの範囲内 |
応答時間 | 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎) |
≪ Breath Distension ≫ 計測範囲 | 0~800μmの範囲内 |
応答時間 | 1.7秒毎 (更新時前10呼吸に対する移動平均) |
≪ Body Temparature ≫ 計測範囲 | 15~℃の範囲内 (60~120Fの範囲内) |
分解能 | +/-0.1℃(+/-0.1F) |
応答時間 | 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎) |
※ Premium/Recordingソフトウェアオプションをご購入頂くと、以下の機能もご利用頂けます。
・各パラメータのリアルタイム波形画面表示・イベントマーカー機能
・計測データの記録・保存・エクスポート
・シグナルの平均化演算・平均データの保存・エクスポート

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アナログ出力デバイス STARR-Link™
STARR-Link™ は、 MouseOx® にて計測したパラメータをアナログ信号として出力するためのデバイスモジュールです。MouseOx® で計測したデータは、USB接続にてデジタル取得される為、他のデータ取得 ▪ 解析システム等にデータを統合する場合には、このデバイスをご利用下さい。(分解能:16bit、出力レート:15Hz)
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MouseOx PLUSマルチプレクサ
MouseOx PLUSマルチプレクサ は、8または16システムを同時にセットアップしておき、チャネルの切り替えによって、複数動物の計測を迅速に行うことができるようにするためのデバイスです。

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直腸温センサ
プローブはマウス・ラット兼用で、麻酔下・覚醒下いずれにおいても利用可能です。
マルチプレクサ使用時にもご利用いただけます。
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覚醒下用ケージセット (0150050WF/015051WF)
覚醒下用ケージセット (0150050WF/015051WF) は、テザーシステムです。
構成品:ケージ・Feeder/Waterボトルのほか、動物が動き回ってもセンサーケーブルが絡まないようにするための、電気シーベルシステム(ワイヤー・ワイヤーハンガー・おもり・Commutator(整流器))がセットになっています。