米国Transonic社製超音波血流計システムT400シリーズは、超音波トランジットタイム方式を採用した、マルチチャネルモジュールタイプの血流計です。超音波トランジットタイム方式は、動物の動きや血管径変化による影響が少なく、血流量の絶対値計測が可能であり、過去30年にわたるゴールドスタンダードとなっています。
血管用モジュールとチューブ用モジュールから最大3ch までを組合せることができ、マウス・ラットから大動物の心血管研究分野、術中の血流計測、運動生理学研究分野、摘出心の灌流研究、心臓補助装置や人工心臓の開発等、幅広いアプリケーションにお使いいただけます。
特長
● | 血流量の絶対値計測が可能なトランジットタイム方式を採用。 |
● | 血管用モジュール・チューブ用モジュールの2ラインナップ。 |
● | 1チャネルから3チャネルまでモジュール選択可能。 |
● | マウス~大動物の急性・慢性(体内埋込み)・術中の血流計測(mL/min)が可能。 |
● | 体外循環チューブ等の流量計測も可能。 |
● | プローブがあらかじめ校正されているため、すぐに使用可能。 |
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測定原理:超音波トランジットタイム方式

装着するプローブ内部に2つの幅の広い超音波素子が、リフレクタ(超音波反射板)に対し対向するように設置されており、血流に対し順方向(上流)と逆方向(下流)に交互に超音波パルスを発信します。発信された超音波パルス波は、血管全体を包み込む均一な超音波音場を形成し、Vの字にリフレクタで反射され血管を透過し、それぞれ対向する超音波素子で受信されます。
このパルス波の伝播時間は、血管を透過する時に血流の影響を受け、順方向では短くなり、逆方向では長くなります。 超音波の伝達時間に差を生じさせるのは血流部分だけであるため、超音波音場内で計測される流速を積分することにより、血流量を直接求めることができます。
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システム構成
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血管用モジュール TS420
【 特長 】・0.3mmのマウス血管血流計測が可能です(ナノプローブ使用)。
・マウスの 血流計測に十分な帯域:160Hzの周波数に対応。
・アナログメータ表示、BNC端子からの アナログ出力が可能。
【 アプリケーション 】・マウスを含む小動物・大動物の心血管研究
(腎性高血圧症研究、頸動脈閉塞症・血栓症モデル、心不全モデル、
心筋虚血症・再灌流研究等)
・運動生理学
・妊娠研究
・補助人工心埋込み・心臓補助装置モデルの研究
・比較生理学
マウス血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
ラット血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
ウサギ血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
イヌ血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧【 対応するプローブ種類 】 ■ ナノプローブ | PSシリーズ、直径0.5・0.7mmサイズ。
・急性/慢性実験用 ・0.3mmのマウス血管にも使用可能なサイズです。 ・分解能(0.03mL/min~)
マウス対象血管:頸動脈、肝動脈、腎動脈、等
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■ Vシリーズ | 直径0.5・0.7mmサイズ、急性実験用。
・0.25mmのマウス血管にも使用可能。 ・分解能(0.05mL/min~) ・リフレクタ(超音波反射板)がV字状で、 ナノプローブよりも大きく頑丈な構造です。
マウス対象血管:頸動脈等 |
■ PRシリーズ | 直径 1・1.5mmサイズ、急性/慢性実験用。
マウス対象血管:腹部大動脈、上行大動脈、下行大動脈等 ラット対象血管: 頸動脈、大腿動脈等
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■ PSシリーズ | 直径2-20mmサイズ、急性/慢性実験用。
対象血管:頸動脈、冠状動脈、腎動脈、等
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■ PAUシリーズ | 直径8-36mmサイズ、急性/慢性実験用。
4個のトランスデューサにより血流を検出します。 再利用可能なトランスデューサとクッション機能を有するディスポーザブルのライナーを組合せて使用します。
対象血管:大動物の上行大動脈、肺動脈、等
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■ PMPシリーズ | 直径2-14mmサイズ、急性実験用。
術中の血流測定用のハンドル型プローブです。 臨床用途でも使用されている形状です。
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※PSシリーズ、PRシリーズ、PAUシリーズは、
・急性実験用(1-8時間で実験が終了する用途、型式MA-で始まる)または
・慢性実験用(特注、プローブを長期に渡り埋込んで使用、型式MC-で始まる)
をご選択いただきます。
型式はMA- / MC-の後にプローブサイズ、シリーズ名が続きます。
※PSシリーズ、PRシリーズは、プローブケーブルの始点(角度)もご選択いただきます。

型式の最後に以下の文字をご指定ください。
B:Back(背面ケーブル、血管に対し垂直位置)
S:Side(側面ケーブル、血管に対し平行)
L:Lateral(垂直ケーブル、開胸術用)
※プローブシリーズ、サイズにより始点が選択できないものもございます。
型式例:MA0.7PSB(急性実験用PSシリーズ0.7mmサイズ、背面ケーブル)
※MC-(慢性実験用(特注))はケーブルサイズ・シリーズ名、ケーブル始点(BまたはS)の他、
リフレクタ(超音波反射板)の形態・ケーブル長・コネクタの型式・校正をご選択いただきます。
血管用プローブ型式・仕様に関する資料
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チューブ用モジュール TS410
【 特長 】・4個のトランスデューサにより正確なチューブ流量を計測可能
・様々な液体の流量計測が可能:
血液、生理食塩水、水、生理学的バッファー、グリセリン水溶液、細胞培養液、等
・異なる液体や温度での計測に複数の校正を登録(最大4スロットまで)することが可能
・アラーム設定が可能
・BNC端子からの アナログ出力が可能
【 アプリケーション 】・循環補助デバイス開発(心臓補助装置及び人工心臓)
・摘出心・灌流臓器研究
・擬循環モデル
・生物学的製剤やバイオリアクターの非接触・無菌的な流量計測
・流動模型やその他チューブ内での血流計測が必要とされるアプリケーション
【 対応するプローブ種類 】 ■ PXNシリーズ | 体外用/インライン式
チューブサイズ :(内径)1.2mm-25.4mm ・1-3PXN(内径1.2-2.4mm): フレキシブルチューブを使用(写真上) ・4-25PXN(内径3.2-25.4mm): 強固なチューブ端を採用(写真下)
・特注液体の場合はご注文時、液体サンプルの ご提供をお願い致します。 | 

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■ PXL-シリーズ | 体外用/ クランプ式
・チューブサイズ: (外径)2/16インチ(約3mm)- 20/16インチ (約31mm)
・液体と非接触 ・チューブの外形に密着する形状 ・校正用として、ご注文時チューブのサンプル (60cm) のご提供をお願い致します。
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※型式ME-で始まり、サイズ、校正情報が続きます。
※校正情報は4スロットまで登録可能です(2スロット目より有償となります)
校正情報内容:
・測定する液体種・温度
・流量(スタンダードフロー/ローフロー/特注)
型式例:ME4PXN-BL37SF-KR37SF-FX37LF
PXNシリーズ センサーサイズ : 4PXN、
校正スロット① 血液、37℃、スタンダードフロー、
スロット② クレブス液、37℃、スタンダードフロー、
スロット③ カスタムの液体、37℃、ローフロー
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仕様
■コンソール(収納ケース)仕様 | 2CHコンソール(T402) | 3CHコンソール(T403) |
寸法 | 約13.2(H)x23.5(W)x30.5(D)cm | 約13.2(H)x34.2(W)x30.5(D)cm |
重量 | 約2.6kg | 約3.4kg |
電源 | 100-240 VAC、50-60 Hz、50W |
■血流用モジュールTS420 仕様 寸法 | 約13(H)x10.2(W)x23(D)cm |
重量 | 約1kg |
電源 | T402またはT403コンソールから供給 |
計測方法 | 超音波トランジットタイム方式 |
適合プローブ | PS、V、 PR、 PMP 、PAUシリーズ |
プローブ接続 | 前面パネル上の10-ピンコネクタと、血管用プローブ・延長ケーブルのオスCRA10品コネクタを接続 |
デジタル・ディスプレイ | ・4桁(14セグメント)LED:流量、プローブ情報、エラーメッセージ ・バー・インジケータ表示:プローブシグナル品質の連続モニタリング(Signal Quality Indicator) |
アナログ・ディスプレイ | 目盛表示(-0.2~1.2V): 流量(Measure Mode)、受信シグナル強度(Test Mode)、 キャリブレーション情報(Calibration Mode) の切替え表示 |
フィルタ特性 | 0.1、10、40 Hz:二次バターワース 160Hz:三次バターワース |
シグナル出力 | コンソール背面の端子群により8シグナル出力可能: 脈動流量、平均流量、受信シグナル振幅x2、 位相x4 |
超音波周波数範囲 | 600 KHz-14.4 MHz(プローブサイズによる) |
プローブID・キャリブレーション情報の自動認識 | プローブコネクタのEPROMまたはEPROMキーによってプローブ情報を読込みます。
・10または12-ピンコネクタ付のプローブ: コネクタに取り付けられたEPROM情報(サイズ・スケール・キャリブレーション) を使用します。
・4ピンコネクタ付のプローブ: プローブとは別にEPROMキー(プローブスケール、シグナルノーマライゼーション、 キャリブレーションゲイン情報含む)が必要です。プローブ使用時、装置前面の CAL KEY PORTに、プローブに対応する3ピンEPROMキャリブレーション・キーを 挿入します。 |
流量出力 | 前面パネル上のBNC出力コネクタ及び背面パネル端子群: ・脈動/平均流量 ・前面パネルで選択可能なフィルタによるフィルタリング制御 ・電圧範囲:-5~+ 5V ・出力抵抗:500Ω ・フルレンジ:-5 ~ +5 V(双方向流量、倍率:5倍範囲) |
■チューブ用モジュールTS410 仕様 寸法 | 約13(H)x10.2(W)x23(D)cm |
重量 | 約1kg |
電源 | T402またはT403コンソールから供給 |
計測方法 | 超音波トランジットタイム方式 |
適合プローブ | PXL、PXNシリーズ |
プローブ接続 | 前面パネル上の16ピンコネクタと、プローブ(インライン式・チューブ式)・延長ケーブルのオスCC16またはCP16コネクタを接続 |
デジタル・ディスプレイ | ・4桁(14セグメント)LED:流量、プローブ情報、エラーメッセージ ・バー・インジケータ表示:プローブシグナル品質の連続モニタリング(Signal Quality Indicator) |
液晶ディスプレイ | 1行16文字のアルファベット・数字液晶表示: プログラムパラメータ、プローブ・メーターの状態、アラーム設定を表示 (デフォルトでは、プローブシリアルナンバーを表示) |
フィルタ特性 | 0.1、10、40 Hz:二次バターワース 160Hz:三次バターワース |
シグナル出力 | コンソール背面の端子群により8シグナル出力可能: 脈動流量、平均流量、受信シグナル振幅x2、 位相x4 |
超音波周波数範囲 | 600 KHz-14.4 MHz(プローブサイズによる) |
プローブID・キャリブレーション情報の自動認識 | プローブのEPROM内にプログラムされた情報(サイズ・スケール・キャリブレーション)を読込み。 |
流量出力 | 前面パネル上のBNC出力コネクタ及び背面パネル端子群: ・脈動/平均流量 ・前面パネルで選択可能なフィルタによるフィルタリング制御 ・電圧範囲:-5~+ 5V ・出力抵抗:500Ω ・フルレンジ:-5 ~ +5 V(双方向流量、倍率:5倍範囲) |
※ご注意:本ページに掲載の製品は、すべて研究・実験用です。人・動物の診断あるいは治療等の臨床用途に使用することはできません。
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Upcoming & オンデマンドWebinar
今後開催されるWebinar(ライブ配信ご参加時は、Q&Aセッションをご利用いただけます)、過去に実施されたWebinarの録画は、
https://info.transonic.com/life-science-webinars 
からご確認いただけます。
※eメールアドレスを入力すると視聴することができます。
Effective Arterial Elastance: Assessing Changes in Vascular Properties During Exercise 
効果的な動脈エラスタンス:運動中の血管特性の変化の評価 (1時間8分)
このウェビナーでは、Joseph Mannozzi博士が、安静時、運動時、および心不全の誘発前後の交感神経活性化を伴う運動中の有効動脈エラスタンスの変化について説明します。 議論される測定技術は次のとおりです。
- 慢性血管血流測定(上行大動脈/心拍出量、末端大動脈/後肢血流)
- 慢性全身圧評価
- 慢性心室圧評価
- 血管閉塞器の慢性移植
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関連論文
Transonic社の血流計を用いた研究成果論文は、4000報以上発行されています。
http://www.transonic.com/publicationreferencesより、検索することができます。

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