米国Transonic社製超音波血流計システムT400シリーズは、超音波トランジットタイム方式を採用した、マルチチャネルモジュールタイプの血流計です。超音波トランジットタイム方式は、動物の動きや血管径変化による影響が少なく、血流量の絶対値計測が可能であり、過去40年にわたるゴールドスタンダードとなっています。
血管用モジュールとチューブ用モジュールから最大3ch までを組合せることができ、マウス・ラットから大動物の心血管研究分野、術中の血流計測、運動生理学研究分野、摘出心の灌流研究、心臓補助装置や人工心臓の開発等、幅広いアプリケーションにお使いいただけます。
特長
● | 血流量の絶対値計測が可能なトランジットタイム方式を採用。 |
● | 血管用モジュール・チューブ用モジュールの2ラインナップ。 |
● | 1チャネルから3チャネルまでモジュール選択可能。 |
● | マウス~大動物の急性・慢性(体内埋込み)・術中の血流計測(mL/min)が可能。 |
● | 体外循環チューブ等の流量計測も可能。 |
● | プローブがあらかじめ校正されているため、すぐに使用可能。 |
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測定原理:超音波トランジットタイム方式

装着するプローブ内部に2つの幅の広い超音波素子が、リフレクタ(超音波反射板)に対し対向するように設置されており、血流に対し順方向(上流)と逆方向(下流)に交互に超音波パルスを発信します。発信された超音波パルス波は、血管全体を包み込む均一な超音波音場を形成し、Vの字にリフレクタで反射され血管を透過し、それぞれ対向する超音波素子で受信されます。
このパルス波の伝播時間は、血管を透過する時に血流の影響を受け、順方向では短くなり、逆方向では長くなります。 超音波の伝達時間に差を生じさせるのは血流部分だけであるため、超音波音場内で計測される流速を積分することにより、血流量を直接求めることができます。
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システム構成
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血管用モジュール TS420
【 特長 】
・0.3mmのマウス血管血流計測が可能です(ナノプローブ使用)。
・マウスの 血流計測に十分な帯域:160Hzの周波数に対応。
・アナログメータ表示、BNC端子からの アナログ出力が可能。
【 アプリケーション 】
・マウスを含む小動物・大動物の心血管研究
(腎性高血圧症研究、頸動脈閉塞症・血栓症モデル、心不全モデル、
心筋虚血症・再灌流研究等)
・運動生理学
・妊娠研究
・補助人工心埋込み・心臓補助装置モデルの研究
・比較生理学
マウス血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
ラット血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
ウサギ血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
イヌ血流量計測_アプリケーション別推奨プローブ一覧
【 対応するプローブ種類 】
■ ナノプローブ |
PSシリーズ、直径0.5・0.7mmサイズ。
・急性/慢性実験用
・0.3mmのマウス血管にも使用可能なサイズです。
・分解能(0.03mL/min~)
マウス対象血管:頸動脈、肝動脈、腎動脈、等
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■ Vシリーズ |
直径0.5・0.7mmサイズ、急性実験用。
・0.25mmのマウス血管にも使用可能。
・分解能(0.05mL/min~)
・リフレクタ(超音波反射板)がV字状で、
ナノプローブよりも大きく頑丈な構造です。
マウス対象血管:頸動脈等 |
■ PRシリーズ |
直径 1・1.5mmサイズ、急性/慢性実験用。
マウス対象血管:腹部大動脈、上行大動脈、下行大動脈等
ラット対象血管: 頸動脈、大腿動脈等
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■ PSシリーズ |
直径2-20mmサイズ、急性/慢性実験用。
対象血管:頸動脈、冠状動脈、腎動脈、等
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■ PAUシリーズ |
直径8-36mmサイズ、急性/慢性実験用。
4個のトランスデューサにより血流を検出します。
再利用可能なトランスデューサとクッション機能を有するディスポーザブルのライナーを組合せて使用します。
対象血管:大動物の上行大動脈、肺動脈、等
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※PSシリーズ、PRシリーズ、PAUシリーズは、
・急性実験用(1-8時間で実験が終了する用途、型式MA-で始まる)または
・慢性実験用(特注、プローブを長期に渡り埋込んで使用、型式MC-で始まる)
をご選択いただきます。
型式はMA- / MC-の後にプローブサイズ、シリーズ名が続きます。
※PSシリーズ、PRシリーズは、プローブケーブルの始点(角度)もご選択いただきます。

型式の最後に以下の文字をご指定ください。
B:Back(背面ケーブル、血管に対し垂直位置)
S:Side(側面ケーブル、血管に対し平行)
L:Lateral(垂直ケーブル、開胸術用)
※プローブシリーズ、サイズにより始点が選択できないものもございます。
型式例:MA0.7PSB(急性実験用PSシリーズ0.7mmサイズ、背面ケーブル)
※MC-(慢性実験用(特注))はケーブルサイズ・シリーズ名、ケーブル始点(BまたはS)の他、
リフレクタ(超音波反射板)の形態・ケーブル長・コネクタの型式・校正をご選択いただきます。
血管用プローブ型式・仕様に関する資料
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チューブ用モジュール TS410
【 特長 】・4個のトランスデューサにより正確なチューブ流量を計測可能
・異なる液体や温度での計測に複数の校正を登録することが可能(最大4スロットまで)
・アラーム設定が可能
・BNC端子からの アナログ出力が可能
【 アプリケーション 】・循環補助デバイス開発(心臓補助装置及び人工心臓)
・摘出心・灌流臓器研究
・擬循環モデル
・生物学的製剤やバイオリアクターの非接触・無菌的な流量計測
・流動模型やその他チューブ内での血流計測が必要とされるアプリケーション
【 プローブ 】専用のPXLプローブは、クランプ式で、液体と非接触です。
チューブの外形に密着する形状になっています。
| - チューブサイズ:
[外径] 2/16インチ (約3mm) ~ 20/16インチ(約31mm)まで、 全部で13 種類ございます。 - [ケーブル長] 200CM、[ コネクタタイプ] CC16
- 校正可能条件:
[液体種] 水・Krebs液・生理食塩水 (0.9 - 5%(質量%濃度))・ 血液・グリセリン(40%・60% (体積%濃度)) [温度範囲] 19 - 40℃ [流量] Standard・Low・Ultra Low (プローブサイズモデルにより異なります。 別途資料をご確認ください。) [チューブ素材] PVC・シリコン・ウレタン | |
※校正用として、ご注文時は、チューブのサンプル(60cm)×2本のご提供をお願いしております。
※校正情報は4スロットまで登録可能です。(2スロット目より有償)
校正情報内容:
・測定する液体種類・温度
・流量 (Standard・Low・Ultra Low)
※ご注文型式:MExPXLで始まり、校正情報が続きます。(x:サイズ)
型式のご指定方法:[ベースのモデル型式]-[スロット①液体種類・温度]-[スロット①流量]-
[スロット②液体種類・温度]-[スロット②流量]-[スロット③液体種類・温度]-[スロット③流量]-
[スロット④液体種類・温度]-[スロット④流量]となります。
※プローブ各サイズの流量仕様、ご注文方法については、別途資料・価格表も合わせてご確認ください。
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仕様
■コンソール(収納ケース)仕様 | 2CHコンソール(T402) | 3CHコンソール(T403) |
寸法 | 約13.2(H)x23.5(W)x30.5(D)cm | 約13.2(H)x34.2(W)x30.5(D)cm |
重量 | 約2.6kg | 約3.4kg |
電源 | 100-240 VAC、50-60 Hz、50W |
■血流用モジュールTS420 仕様 寸法 | 約13(H)x10.2(W)x23(D)cm |
重量 | 約1kg |
電源 | T402またはT403コンソールから供給 |
計測方法 | 超音波トランジットタイム方式 |
適合プローブ | PS、V、PR、PAUシリーズ |
プローブ接続 | 前面パネル上の10-ピンコネクタと、血管用プローブ・延長ケーブルのオスCRA10品コネクタを接続 |
デジタル・ディスプレイ | ・4桁(14セグメント)LED:流量、プローブ情報、エラーメッセージ ・バー・インジケータ表示:プローブシグナル品質の連続モニタリング(Signal Quality Indicator) |
アナログ・ディスプレイ | 目盛表示(-0.2~1.2V): 流量(Measure Mode)、受信シグナル強度(Test Mode)、 キャリブレーション情報(Calibration Mode) の切替え表示 |
フィルタ特性 | 0.1、10、40 Hz:二次バターワース 160Hz:三次バターワース |
シグナル出力 | コンソール背面の端子群により8シグナル出力可能: 脈動流量、平均流量、受信シグナル振幅x2、 位相x4 |
超音波周波数範囲 | 600 KHz-14.4 MHz(プローブサイズによる) |
プローブID・キャリブレーション情報の自動認識 | プローブコネクタのEPROMまたはEPROMキーによってプローブ情報を読込みます。
・10または12-ピンコネクタ付のプローブ: コネクタに取り付けられたEPROM情報(サイズ・スケール・キャリブレーション) を使用します。
・4ピンコネクタ付のプローブ: プローブとは別にEPROMキー(プローブスケール、シグナルノーマライゼーション、 キャリブレーションゲイン情報含む)が必要です。プローブ使用時、装置前面の CAL KEY PORTに、プローブに対応する3ピンEPROMキャリブレーション・キーを 挿入します。 |
流量出力 | 前面パネル上のBNC出力コネクタ及び背面パネル端子群: ・脈動/平均流量 ・前面パネルで選択可能なフィルタによるフィルタリング制御 ・電圧範囲:-5~+ 5V ・出力抵抗:500Ω ・フルレンジ:-5 ~ +5 V(双方向流量、倍率:5倍範囲) |
■チューブ用モジュールTS410 仕様 寸法 | 約13(H)x10.2(W)x23(D)cm |
重量 | 約1kg |
電源 | T402またはT403コンソールから供給 |
計測方法 | 超音波トランジットタイム方式 |
適合プローブ | PXNシリーズ |
プローブ接続 | 前面パネル上の16ピンコネクタと、プローブ(インライン式・チューブ式)・延長ケーブルのオスCC16またはCP16コネクタを接続 |
デジタル・ディスプレイ | ・4桁(14セグメント)LED:流量、プローブ情報、エラーメッセージ ・バー・インジケータ表示:プローブシグナル品質の連続モニタリング(Signal Quality Indicator) |
液晶ディスプレイ | 1行16文字のアルファベット・数字液晶表示: プログラムパラメータ、プローブ・メーターの状態、アラーム設定を表示 (デフォルトでは、プローブシリアルナンバーを表示) |
フィルタ特性 | 0.1、10、40 Hz:二次バターワース 160Hz:三次バターワース |
シグナル出力 | コンソール背面の端子群により8シグナル出力可能: 脈動流量、平均流量、受信シグナル振幅x2、 位相x4 |
超音波周波数範囲 | 600 KHz-14.4 MHz(プローブサイズによる) |
プローブID・キャリブレーション情報の自動認識 | プローブのEPROM内にプログラムされた情報(サイズ・スケール・キャリブレーション)を読込み。 |
流量出力 | 前面パネル上のBNC出力コネクタ及び背面パネル端子群: ・脈動/平均流量 ・前面パネルで選択可能なフィルタによるフィルタリング制御 ・電圧範囲:-5~+ 5V ・出力抵抗:500Ω ・フルレンジ:-5 ~ +5 V(双方向流量、倍率:5倍範囲) |
※ご注意:本ページに掲載の製品は、すべて研究・実験用です。人・動物の診断あるいは治療等の臨床用途に使用することはできません。
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Upcoming & オンデマンドWebinar
今後開催されるWebinar(ライブ配信ご参加時は、Q&Aセッションをご利用いただけます)、過去に実施されたWebinarの録画は、
https://www.transonic.com/webinars 
からPast Webinarsのセクションにて、Research>Flow Measurementにチェックを入れていただくと、ご確認いただけます。
※VODは、eメールアドレスを入力すると視聴することができます。
Effective Arterial Elastance: Assessing Changes in Vascular Properties During Exercise 
効果的な動脈エラスタンス:運動中の血管特性の変化の評価 (1時間8分)
このウェビナーでは、Joseph Mannozzi博士が、安静時、運動時、および心不全の誘発前後の交感神経活性化を伴う運動中の有効動脈エラスタンスの変化について説明します。 議論される測定技術は次のとおりです。
- 慢性血管血流測定(上行大動脈/心拍出量、末端大動脈/後肢血流)
- 慢性全身圧評価
- 慢性心室圧評価
- 血管閉塞器の慢性移植
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