SNP・InDelを高い確度で迅速に解析
LGC Genomics社の KASP (Kompetitive Allele Specific PCR) ジェノタイピングアッセイは、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した、PCRベースの特許取得済のアッセイです。対立遺伝子の既知のSNPとInDel (挿入 / 欠失) を高い確度で迅速に識別することが可能です。
KASPは他のPCRベースの遺伝子型解析アッセイとは異なり、ターゲット特異的プライマー/プローブに高価な標識を付ける必要がありません。また少ない反応液量でのアッセイを可能とするため、低コストの実験系を実現します。
特長
- 高い実績:
- ヒト、植物、哺乳類、昆虫、微生物等、様々な生物種における360,000件以上の開発実績
- 4570報を超える文献
ヒトの疾患研究においてもKASPが多く用いられています。 - 高い確度: 確度>99.8%
- ハイパフォーマンス: SNP・InDelアッセイ変換率 >90%
- 柔軟性の高さ:
- フレキシブルなプライマー設計が可能
- 低・中・高ハイスループットに対応
- 幅広いサーマルサイクラー・リキッドハンドリングシステムに対応
- 低コスト:
- ターゲット特異的プライマー/プローブに標識が不要。
ユニバーサルなFRETレポーターカセットを利用します。 - 少量のアッセイ容量で試薬コストを削減 (96ウェル:10 μL、384ウェル:5 μL)
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 KASPアッセイによるクラスター解析結果例 ⾚:HEX標識対⽴遺伝⼦のホモ接合体 緑:HEX標識対⽴遺伝⼦、 FAM標識対⽴遺伝⼦のヘテロ接合体 ⻘:FAM標識対⽴遺伝⼦のホモ接合体
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KASPアッセイには、アッセイ特異的なプライマーを含むKASP Assay mix、 FRETレポーターカセットを含むKASP Master mix、お客様のサンプルDNAが必要です。 |
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原理:FRET レポーターカセットシステムを利用したPCR解析
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Anchoring Assay
KASPジェノタイピングアッセイには、非常に類似した2つ以上の配列を識別可能なAnchoring Assay法があります。
相同性の高い配列の1つにアッセイをデザインする場合や、高次倍数体ゲノムの単一の標的に特異的にアッセイをデザインする場合に有効です。

図: 相同性の高い配列におけるアッセイデザイン。赤字: 標的SNP, 橙字: 標的配列と一致しない塩基。青字: Anchorに利用した塩基。

図: コムギゲノムにおけるアッセイの設計。赤字: 標的SNP。青字: 標的近傍のSNP。近傍のSNPをAnchoringに利用。
詳細は、
添付資料をご覧ください。
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アプリケーション・ケーススタディ
- KASPアプリケーションノート・ケーススタディ集:
『Overcoming agricultural and human health challenges with KASP genotyping chemistry』
(簡単なご登録をお願いいたします) | |  |
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- お客様のケーススタディ:
Hyline International社 KASPジェノタイピング試薬の家禽ゲノム育種プログラムへの応用
(簡単なご登録をお願いいたします) | |  | |
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- お客様のケーススタディ:
『The Kazusa DNA Research Institute utilise high-throughput sbeadex and KASP chemistries to address breeding challenges in strawberries.』
(簡単なご登録をお願いいたします) | | 
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KASP Assay mix

KASP Assay mix は、KASPジェノタイピングアッセイにおいて必要な、お客様がご興味をお持ちのSNPまたはInDel (挿⼊/⽋失) に対する特異的な3種類のプライマーを含む試薬です。対⽴遺伝⼦特異的な2種類のフォワードプライマーと、1種類の共通するリバースプライマーが含まれています。
「KASP by Design」または「KASP on Demand」のアッセイデザイン・プライマー選択は、LGC Genomics社がKraken™ソフトウェアシステムを⽤いて⾏います。
※Fluidigmジェノタイピングシステム専用に調製されたKASP Assay mixもございます。詳細はお問い合わせください。
- 輸送温度条件:常温
- 保存温度条件:[4℃] 20日間、[-20℃]1年間
- 凍結融解可能回数:5-6回迄
KASP by Design (KBD) |
アッセイ開発のためにプライマー設計後にin silicoによる検証を行います。

容量:2,500 反応分 (アッセイ容量10μL時)、5,000反応分 (同5μL時)
型式 | 商品名 |
KBS-2300-001 | KASP by Design (Standard) |
KASP by Design (KBD)のご注文時手順
- 必要情報のご提出:
Assay mix設計可否判断のために必要な情報を Excelフォーム にご入力いただき 、 電子メールにてreagents@primetech.co.jpまでお送りください。
[記入シート1:Details・・お客様情報、記入シート2:SNPs ・・SNP/Indelシーケンス情報、 ※シート3:Examples・・記入例]
※複雑なシーケンス情報の場合、こちらの詳細な記入方法の説明 も合わせてご参照ください。
- 設計可否の確認:
Excelシートに記載いただいたシーケンス情報に対し、Assay mixの設計可否を、 プライムテックよりLGC Genomics社に確認致します。
- 設計可否結果のご連絡~ご注文:
プライムテックよりお客様に、Assay mix設計可否をご連絡致します。 設計可能の場合、ご注文手続きをお願い致します。 その後、弊社よりLGC Genomics社への発注を行います。
KBDの納期は、ご注文後4週間程度となります。
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KASP on Demand (KOD) |
アッセイ開発のために、プライマー設計後にお客様のDNAサンプル (22~最大94種類まで)を用いた検証試験を
行います。お客様は、アッセイで確実に機能するプライマーの受け取りを保証されています。

容量:2,500 反応分 (アッセイ容量10μL時)、5,000反応分 (同5μL時)
型式 | 商品名 |
KBS-2400-001 | KASP on Demand (Standard) Standard service |
KASP on Demand (KOD)のご注文時手順
- 必要情報のご提出:
Assay mix設計可否判断のために必要な情報を Excelフォーム にご入力いただき 、 電子メールにてreagents@primetech.co.jpまでお送りください。
[記入シート1:Details・・お客様情報、記入シート2:SNPs ・・SNP/Indelシーケンス情報、 ※シート3:Examples・・記入例]
※複雑なシーケンス情報の場合、こちらの詳細な記入方法の説明 も合わせてご参照ください。
- 設計可否の確認:
Excelシートに記載いただいたシーケンス情報に対し、Assay mixの設計可否(in silicoでの検証)を、 プライムテックよりLGC Genomics社に確認致します。
- 設計可否結果のご連絡~ご注文:
プライムテックよりお客様に、Assay mix設計可否をご連絡致します。 設計可能の場合、ご注文手続きをお願い致します。 その後、弊社よりLGC Genomics社への発注を行います。
- サンプルDNAのご送付(英国への輸出):
お客様より、検証試験で用いるためのサンプルDNAをメーカーへ送付いただきます。 こちらのインストラクション(ご送付方法・必要なサンプルDNA量等、英語) をご確認の上、 発送してください。 ※サンプルの発送にかかる費用につきましては、お客様のご負担となりますことをあらかじめご了承下さい。
- ご納品:
KODの納期は、ご注文後5~7週間程度となります。 ※検証試験に通る・通らない、いずれの判断についても、納期直前まで試験を行う都合上、 同様にご注文後5~7週間程度でのご連絡となります。予めご了承ください。
※KODはin silicoでのプライマー設計後に、お客様のサンプルを実際に用いて検証試験を行います。 検証試験に通らず、Assay mixをご提供できない場合もございます。その場合、ご注文費用はいただきません。
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KASPライブラリアッセイ |
LGC Genomics社では、様々な生物種の検証済みジェノタイピングライブラリに対するKASP Assay Mixも
ご提供しています。詳細はお問い合わせください。
対象生物種:
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| - トマト (詳細ページへ)
- レンズマメ
- マウス
- ラット
- ゼブラフィッシュ
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KASP Master mix

KASP Master mixは、KASPジェノタイピングアッセイにおいて必要な、FAMもしくはHEX標識された2種類のユニバーサルなFRETレポーターカセット、ROXリファレンス⾊素、Taqポリメラーゼが最適化されたバッファーに含まれた試薬です。MgCl
2溶液、DMSOが付属します。
お使いのPCR機種に合わせ、3種類のROXリファレンス⾊素濃度(Standard・Low・High)からご選択いただけます。
- 輸送温度条件:冷凍
- 保存温度条件:[4℃] 1週間、[-80℃]無期限
- 凍結融解可能回数:頻繁に繰り返さない
型式 | 商品名 | 容量 | 推奨PCR機種 |
KBS-1050-101 | KASP-TF V4.0 2X Master mix 96/384 Std Rox | 2.5ml | BIO-RAD iCycler iQ、 MyiQ、 MyiQ2*、CFX-96、CFX-384*、 Illumina EcoRT、Qiagen RotorGene Q、 Roche Lightcycler 2.0*、LC96*、 Thermo Scientific PikoReal*、 LGC SNPline instrumentation (KBS-1016-003推奨) |
KBS-1050-102 | 25mL |
KBS-1050-103 | 25mLx10 |
KBS-1050-104 | 250mL |
KBS-1050-111 | KASP-TF V4.0 2X Master mix 1536 Std Rox | 2.5ml | LGC SNPline instrumentation (KBS-1016-012推奨) |
KBS-1050-112 | 25mL |
KBS-1050-113 | 25mLx10 |
KBS-1050-114 | 250mL |
KBS-1050-121 | KASP-TF V4.0 2X Master mix 96/384 Low Rox | 2.5ml | ABI 7500、7500 Fast、QuantStudio 6K、QuantStudio 7K、QuantStudio 12K、ViiA7、 Agilent(Stratagene)MX3000、 MX3500P、MX4000P、 Roche Lightcycler 480*、480 II(v2)* |
KBS-1050-122 | 25mL |
KBS-1050-123 | 25mLx10 |
KBS-1050-124 | 250mL |
KBS-1050-131 | KASP-TF V4.0 2X Master mix 96/384 High Rox | 2.5ml | ABI 5700、7000、7300、7700、7900、7900HT、7900 HT Fast、StepOne、 StepOne Plus |
KBS-1050-132 | 25mL |
KBS-1050-133 | 25mLx10 |
KBS-1050-201 | KASP-TF V5.0 Array Tape 2X Master mix Std Rox | 2.5ml | LGC Douglas Scientific Nexar®、IntelliQube® |
KBS-1050-202 | 25mL |
KBS-1050-203 | 25mLx10 |
KBS-1050-204 | 250mL |
*これらの機器に関して、LowまたはHighのROXを含むKASP Master mixでも機能する可能性はありますが、LGC Genomics社はStandard ROXを含むMaster mixを推奨します。これらの機器はROXを読み込めますが、機器専用のソフトウェアはノーマライゼーションにROX値を用いません。Standard ROX を含むKASP Master mixでKASPを実行することによって、代替ソフトウェアへデータをエクスポートするオプションが利用できるようになり、必要に応じてノーマライゼーションを行えるようになります。
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関連製品
ご所有のPCRサーマルサイクラーにKASP適合性があるかを判断するためのキットです。
ご所有の装置でKASPアッセイの検証を⾏うことができます。HEX・FAM⾊素が付属しており、
PCRまたはプレートリーダーの蛍光波⻑の確認も⾏えます。
キット内容:
- FAM、HEX、FAM/HEX 各1本 (ROX⾊素含む)
- バリデーションDNA⼊り96ウェルプレート
(バリデーションDNA33種類+no-templateコントロール3種類含む) - KASP Master mix 500 μL (2x濃度、100x10μL反応分)
- KASP Assay mix (72x濃度)
型式 | 商品名 |
KBS-1050-161 | KASP-TF V4.0 Validation Kit (Std Rox) |
KBS-1050-162 | KASP-TF V4.0 Validation Kit (High Rox) |
KBS-1050-163 | KASP KASP-TF V4.0 Validation Kit (Low Rox) |
ご所有のPCRサーマルサイクラーにKASP適合性があるかどうかを判断するためのキットです。
ご所有の装置でKASPアッセイの検証を⾏うことができます。
キット内容:
- バリデーションDNA⼊り96ウェルプレート
(バリデーションDNA33種類+no-templateコントロール3種類含む) - KASP Master mix 500 μL (2x濃度、100x10μL反応分)
- KASP Assay mix (72x濃度)
型式 | 商品名 |
KBS-1050-164 | Standard Rox trial kit |
KBS-1050-165 | High Rox trial kit |
KBS-1050-166 | Low Rox trial kit |
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KASP™ジェノタイピングアッセイ関連記事
Brassica rapaの遺伝的多様性解析のためのKASP マーカーライブラリ―の確立 |  |
Brassica rapa(アブラナ科作物)は、世界の多くの地域における食料、飼料、燃料の重要な供給源であり、植物のゲノム進化を調査・研究するユニークな機会を提供します。2018年、FAO(国際連合食糧農業機関)は、キャベツやその他のアブラナの世界生産量が1億300万トンを超えることを報告しました。病気や環境ストレスは作物の収量や品質を低下させる可能性があるため、植物育種家はSNPなどのゲノムワイドな分子マーカーを使用してバックグラウンド選抜を行います。またBrassica rapaの育種プロセスをスピードアップするために高い栄養価・耐病性・収量に関与する標的遺伝子を特定します。 |
記事詳細リンク  |
予測モデル、マーカー選抜、ジェノタイピング自動化によるイチゴ育種の高度化 |  |
優れた形質を持つ革新的な品種を生み出すには、従来の育種素材を分解し、異なる品種と交配することでゲノムを強制的に混合し、新たな集団を作り出すため必要があります。イチゴは複雑なゲノムを持つ八倍体の植物で、ゲノムサイズは1C = 708~720 Mbと推測されています。ヘテロ接合性が高いゲノムでは、複数の対立遺伝子が一つの遺伝子座に存在し、分離が二倍体の植物より複雑になるため、伝統的な育種法で成果を上げることは困難です。イチゴの子孫の形質は世代ごとに異なることがあり、育種プロセスにさらなる複雑さをもたらしています。 (公財)かずさDNA研究所 (KDRI) 植物ゲノム・遺伝学研究室 室長の磯部祥子博士と博士のチームは2か月問という短期間で何千もの植物を解析し、選抜するという課題の対処に着手しました。 |
記事詳細・ウェビナー視聴はこちら |
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References
Development of a core set of KASP markers for assaying genetic diversity in Brassica rapa subsp. chinensis MakinoPeirong Li et.al., Plant Breeding 2019, Volume 138, Issue 3 p. 309-324
https://doi.org/10.1111/pbr.12686
Single Nucleotide Polymorphism (SNP) Discovery and Kompetitive Allele-Specific PCR (KASP) Marker Development with Korean Japonica Rice VarietiesKyeong-Seong Cheon et.al., Plant Breed. Biotech. 2018;6:391-403
https://doi.org/10.9787/PBB.2018.6.4.391
Kompetitive Allele Specific PCR (KASP™) genotyping of 48 polymorphisms at different caprine loci in French Alpine and Saanen goat breeds and their association with milk compositionSzilvia Kusza et.al., PeerJ. 2018 Feb 21;6:e4416.
https://doi.org/10.7717/peerj.4416
A rare variant in APOC3 is associated with plasma triglyceride and VLDL levels in Europeans
Timpson NJ et al., Nat Commun. 2014; 5: 4871. Published online 2014 Sep 16. doi: 10.1038/ncomms5871
One-step, codominant detection of imidazolinone resistance mutations in weedy rice (Oryza sativa L.)
Rosas JE et al., Electron. J. Biotechnol. vol.17 no.2 Valparaíso mar. 2014. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.ejbt.2014.02.003
Quantitative Trait Loci Mapping and Molecular Breeding for Developing Stress Resilient Maize for Sub-Saharan Africa
Semagn K et al., Crop Sci. 55:1–11 (2015). doi: 10.2135/cropsci2014.09.0646
SNP Genotyping Using KASPar Assays
Smith SM and Maughan PJ, Plant Genotyping pp 243-256, Part of the “Methods in Molecular Biology book series (MIMB, volume 1245)
上記の他にも多数の論文がございます。詳細はお問い合わせください。
これまでにKASPジェノタイピングアッセイを利用した研究成果論文が4500報以上発表されています。
※本ページに掲載の製品は、すべて研究・実験用です。
人・動物の診断あるいは治療等の臨床用途に使用することはできません。
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マニュアル、トラブルシューティング
- マニュアル
- リサイクリング反応の解説
- トラブルシューティングガイド(簡易版)
- トラブルシューティングガイド
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