5'蛍光色素 |
吸収波長(nm) |
蛍光波長(nm) |
3'クエンチャー |
FAM |
495 |
520 |
EDQ* |
TET |
521 |
536 |
EDQ |
CAL Fluor Gold 540 |
522 |
544 |
EDQ |
CIV-550 |
530 |
550 |
EDQ |
HEX |
535 |
556 |
EDQ |
CAL Fluor Orange 560 |
538 |
559 |
EDQ |
*Eclipse Dark Quencher (EDQ)

図:大腸菌LacZ遺伝子用に設計されたMGBアッセイの例
各アッセイのプローブを合成し、5’末端をFAM, TET, CIV/VIC, HEX/NEDで修飾し、3’末端をMGB-Eclipse Dark Quencherを結合しました。Biosearch Technologies社(
青色)、競合X社(
紫色)。すべての非標識のオリゴヌクレオチドは、Biosearch Technologies社で合成されました。 各アッセイの性能は、大腸菌ゲノムDNAの希釈系列(1反応あたり、1x10^2~1x10^8コピー)をTaqMan Fast Advanced Master Mixで実行しました。アッセイ濃度やサイクル条件はメーカー推奨に従いました。
MGBプローブは3’末端にEclipse Dark Quencher(EDQ)とMinor groove binder(MGB)が装着されています。Minor groove binderはジヒドロピロロインドールカルボキシレート(dihydropyrroloindole-carboxylate)(CDPI3) トリペプチドであり、標的配列の副溝に折りたたまれます。MGBはファンデルワールス力を安定化させ、プローブとターゲットの結合親和性を高め、融解温度(Tm)を上昇させます。
この安定化により、プローブ自体の長さを大幅に短く設計することができます。短いプローブは、蛍光体とクエンチャーを近づけることでクエンチング効率を高め、バックグラウンドが低く、シグナルが高くなるため、感度と精度が向上します。感度が向上すると、Cq値が早くなり、同じレベルの検出を行うために必要なサンプル量や試薬量が少なくなります。
MGBプローブはアッセイデザインの柔軟性を高め、AT-rich配列など、より困難なターゲット配列の検出をサポートします。プローブ配列に依存しないので、プローブの塩基変換が制限されている場合に有効です。一塩基のミスマッチはMGBプローブ、特にマイナーグルーブ結合領域においてより大きな不安定化効果を持ち、∆Tmを高めることでSNP検出やアレルリック識別アッセイを向上させることができます。MGBプローブの使用により、わずか8塩基からという短いプローブが可能となります。また、MGBプローブは最大30塩基まで拡張することが可能です。25塩基以上の長さのプローブを設計する場合は、
BHQnovaプローブの使用をお勧めします。