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シングルセル全ゲノム・トランスクリプトーム増幅キット

シングルセル全ゲノム・トランスクリプトーム増幅キット
高いカバレッジと均一性でシングルセルの全ゲノム増幅が可能な、特許取得済みの技術であるPrimary Template-directed Amplification(PTA)法を用いたキットです。
シングルセルあるいは微量DNAの正確なバリアント解析、シングルセル解像度でのCRISPR/Cas9によるオンターゲットおよびオフターゲット遺伝子編集の定量的・ゲノムワイドな評価、希少あるいは培養不可な微生物のゲノムアセンブリや特徴付けなど、幅広いシングルセルゲノムアプリケーションにご利用いただけます。

全ゲノム増幅用(ResolveDNA)と全ゲノム・トランスクリプトーム同時増幅用(ResolveOME)がございます。


アプリケーション

  • がんゲノム解析
    予後を左右する保存型・希少型・de novoのバリアントアレルを見つけ、特徴づけ、追跡する
  • 生殖遺伝学
    包括的な胚スクリーニングに基づいた着床前の重要な決定
  • 免疫学
    個々の細胞の免疫レパートリーを包括的に解析する
  • 毒性学
    微量の生物学的汚染物質を確実に検出する
  • 神経学
    単一ニューロンの稀な体細胞突然変異を高い精度と正確さで検出する
  • 細胞・遺伝子治療
    シングルセルの分解能でゲノム編集の変異やオフターゲットを調べる
  • 心臓病学
    心血管疾患の遺伝的基盤の全体像を把握するために、シングルセルゲノミクスを統合する
  • 微生物学
    個々の細菌細胞から完全に近いゲノム情報を得て特徴づける

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原理:Primary Template-directed Amplification (PTA)

Primary Template-directed Amplification(PTA)法は、高正確性のPhi29 DNAポリメラーゼとランダムプライマーを用いることで、サンプル中のDNAを増幅します。増幅中、ポリメラーゼは独自の核酸塩基(Termination Base)を取り込むことで、アンプリコンの伸長が停止し、この過程により増幅産物は切り詰められます。これらの短いアンプリコンはポリメラーゼで効率的に増幅されないため、娘アンプリコンの再増幅が制限されます。結果として、元の(あるいは一次)テンプレートが優先的に増幅され、ゲノムカバレッジを増加させ、娘アンプリコンから引き継がれる塩基取り込みエラーを減少させることができます。PTA法は、他の全ゲノム増幅法と比較して、高いカバレッジ均一性でシングルセルのゲノム増幅を可能にします1
1 PNAS 2021, Vol1. 118, No. 24 e2024176118

図. Primary Template-directed Amplification(PTA)の模式図
図. Primary Template-directed Amplification(PTA)の模式図

PTA法は、単一細胞、複数細胞あるいは核(FACS, FANS, マイクロ流路での細胞分離、あるいは他の方法で採取)、またはごく微量のインプットDNA(4 pg~10 ng)で実施できます。細胞溶解とゲノムDNAの解離後、ランダムプライマーをアニーリングさせます。キットに含まれるDNAポリメラーゼによる伸長反応と独自の塩基プールによって、250 bp~3.5 kb長のアンプリコンが形成されます。アンプリコンのサイズが比較的小さいため、その後の増幅の標的になりにくく、一次テンプレートの増幅が優先され、娘分子におけるバイアスや塩基エラーの指数関数的伝播を制限します。さらに、ResolveDNA全ゲノム増幅キットはキメラ分子や非特異的プライミングなどの実験的アーティファクトの形成を抑制します。PTA反応による生産物は二本鎖となり、キットに付属するあるいは他のNGSライブラリ調製キットを用いてIllumina®や他のシーケンスプラットフォームでのマルチプレックスシーケンスのためのシーケンスライブラリに変換できます。

 PTA法紹介動画(2:38)

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パフォーマンス

  • 優れたパフォーマンス

    優れたパフォーマンス

    10個のヒトB細胞 (CEPH1463/NA12878/ GM12878 ヒトゲノムリファレンス)の各細胞で、ResolveDNAキットを用いて全ゲノム増幅(WGA)を行いました。WGA産物をインデックス化したシーケンスライブラリに調製し、Illumina®プラットフォームで高カバレッジ全ゲノムシーケンシングを行いました。他のWGA法については、個々のBJ1線維芽細胞を用いてローパス全ゲノムシーケンシングで得られたデータです(Chen, C. et al. Science 2017; 356: 189)。
    様々なWGA法で得られたデータを公正に比較するために、同じパイプラインですべてのサンプルの生データをアラインし、バリアントコールの前処理を行いました。表で示した数値は、細胞あたり300MリードのランダムにサブサンプルしたBAMファイルから作成しました。元の研究での分析方法のために、ResolveDNAキット以外の数値は過大評価されています。ResolveDNAキットの数値は最初のバージョンのResolveDNAキットで得られたものであり、新しいバージョン(v2)のResolveDNAキットでも同等の数値が得られており、SNV Sensitivityは96%に増加しています。

  • 高いカバレッジと均一性


    ResolveDNAキット(左)とMultiple Displacement Amplification(MDA)法(右)でシングルセル全ゲノム増幅を行いました。図はヒト第一染色体でのカバレッジを100 kb binでプロットしたものです。どちらの技術でもほとんどカバレッジが得られていない中央部はセントロメアに対応します。ResolveDNAキットはシングルセル全ゲノムシーケンシングにおいて優れたカバレッジと均一性を示しました。

  • MDA法とPTA法のアレルバランスの比較

    MDA法とPTA法のアレルバランスの比較

    各サンプルおける生殖細胞系列のヘテロ接合性の一塩基変異(SNP)のアレルバランスを調査しました。それぞれの線は、1つの細胞に対応します。 値が0.5付近の場合、相同染色体のバランスの取れた増幅を意味し、0または1付近の場合は、ひとつのアレルの完全なドロップアウトを意味します。

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  • BioSkryb Genomics, Inc.
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