Product

無細胞タンパク質発現キット myTXTL

複合領域・汎用

無細胞タンパク質発現キット myTXTL

タンパク質工学や合成生物学のための包括的ソリューション

myTXTL®は、非常に使いやすい無細胞発現プラットフォームです。Minnesota大学のVincent Noireaux博士によって初めて開発されました。
さらにArbor Biosciences社によって洗練されたことで高いパフォーマンスを発揮します。この技術は、毒性タンパク質の合成、迅速な酵素工学、バクテリオファージの生産などの世界中の合成生物学の研究室で採用されています。

myTXTL製品ラインナップには、可溶性タンパク質や膜タンパク質の高収量生産、プラスミドDNAを使用した遺伝子ネットワークのラピッドプロトタイピング、合成最小細胞の構築に適したSigma70Kitや線状DNAを効率的に発現する Linear DNA Expression Kit、さらには遺伝子回路の設計に便利な100以上のプラスミドを含むmyTXTL ToolBoxなどが含まれ、設計ー構築ーテストサイクルを行うための理想的なプラットフォームとなっています。



特長

  • 容易:
    テンプレートと myTXTL Master Mix を混合するだけの操作
  • シンプル:
    標準的な実験機器のみが必要
  • 高速:
    形質転換・クローン選択・細胞溶解不要、時間を節約
  • 柔軟性:
    プラスミド、直鎖状DNAまたはRNAテンプレートを使用可能
  • 汎用的:
    T7発現システムと互換性あり
  • 高い収率:
    単一のTXTL反応でより多くの分析を実行
ワークフロー
   無細胞タンパク質発現のご紹介 (3分19秒)


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アプリケーション

  • タンパク質発現
    • ハイスループットスクリーニング
    • 発現困難なタンパク質
    • in vitro タンパク質進化
    • タンパク質機能化
    • 分⼦間相互作⽤解析
    • 膜タンパク質

  • 合成生物学
    • 遺伝⼦回路
    • ラピッドプロトタイピング
    • ファージ⽣産


 アプリケーションノート(英語):
      An accelerated protein engineering workflow utilizing linear dna in a cell free expression
     『無細胞発現系における線状DNAの利用によって加速するタンパク質工学ワークフロー』


 テクニカルノート(英語):
      Miniaturization and Rapid Processing of TXTL Reactions Using Acoustic Liquid Handling
     『音響液体処理を利用したTXTL反応液の小型化と迅速な処理』



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パフォーマンス





Fig 1. in vitroタンパク質⽣産に対するプラスミド濃度の影響。deGFP発現は、内因性⼤腸菌コアRNAポリメラーゼと⼀次シグマ因⼦σ70とσ70特異的プロモーターP70aとの相互作⽤によって調節されています。 Fig 2. 2種のプラスミド遺伝⼦ネットワークの例。T7 RNAポリメラーゼの初期発現により促進されるバクテリオファージT7プロモーター/オペレーターシステムの制御下での遺伝⼦発現。
 



Fig.3. 2つの遺伝子転写カスケードの利用。
この例ではSigma70プロモーターがT7RNAポリメラーゼの発現を促進し、TT7RNAポリメラーゼがT7プロモーターを持つ別のプラスミド上のdeGFPの発現を促進します。
Fig. 4 レポーターを駆動するために必要な共発現。この回路ではdeGFPの発現に窒素調節タンパクC(NtrC)のリン酸化とSigma54の両方を必要とします。
 



Fig.5. 大腸菌の転写因子で構成される6つの転写活性化カスケード Fig.6. リポソーム内における無細胞系の利用


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ラインナップ・キット構成品

 myTXTL T7 Expression Kit
T7駆動テンプレート (プラスミドまたは直鎖状DNA) からの無細胞タンパク質発現のために最適化されています。細胞機構、エネルギーバッファー、アミノ酸を含む⼤腸菌ベースのMaster Mix、およびT7 RNAポリメラーゼの持続産⽣を供給するP70a-T7rnap HPプラスミドを含んでいます。本システムは複数のT7駆動テンプレートからの共発現も可能です。

 キット構成品
myTXTL T7 Expression Kit 24 Rxn 96 Rxn 5mL (Bulk) 25mL (Bulk) pTXTL-P70a-T7rnap HP
Catalog No. 505024 505096 508005 508025 502134 502135 502139
LS70 Master Mix 3 x 75µL 12 x 75µL 5mL 25mL - - -
P70a-T7rnap HP (2.4nM) 1 x 15µL 1 x 50µL - - 24 Rxns (15µL) 96 Rxns(50µL) 384 Rxns (200µL)
T7p14-deGFP HP (24nM) 1 x 25µL 1 x 25µL - - - - -


 myTXTL Sigma 70 Master Mix Kit
大腸菌σ70遺伝子発現に基づいた製品です。可溶性および膜タンパク質の高収率産生、プラスミドDNAとRNAを用いた遺伝子ネットワークのラピッドプロトタイピング、人工的な最小の細胞構造、細胞生物学研究に最適です。

 キット構成品
myTXTL Sigma 70 Master Mix Kit 24 Rxn 96 Rxn 5mL (Bulk) 25mL (Bulk)
Catalog No. 507024 507096 507005 507025
Sigma 70 Master Mix 3 x 75µL 12 x 75µL 5mL 25mL
P70a(2)-deGFP Positive Control Plasmid (20nM) 1 x 35µL 2 x 35µL - -


 myTXTL Linear DNA Expression Kit
直鎖状テンプレートからの効率的なタンパク質産生に適したキットです。myTXTL Sigma 70 Master Mix Kitをベースにし、安定剤を添加することなく、直線状DNAテンプレートを使⽤した可溶性および膜タンパク質産生を効率的に行えるように設計されています。

 キット構成品
myTXTL Linear DNA Expression Kit 24 Rxn 96 Rxn 5mL (Bulk) 25mL (Bulk)
Catalog No. 508024 508096 508005 508025
LS70 Master Mix 3 x 75µL 12 x 75µL 5mL 25mL
P70a-deGFP Linear Positive Control Fragment(80nM) 1 x 15µL 2 x 15µL - -


 myTXTL GamS Nuclease Inhibitor Protein
myTXTL無細胞発現系において線状DNAからの遺伝子発現を促進するための強力なサプリメントです。線状DNAの分解から保護します。

 キット構成品
   150µMの精製GamS-His6ヌクレアーゼ阻害タンパク質のシングルチューブ、および必要な反応に十分な容量
myTXTL GamS Nuclease Inhibitor Protein 24 Rxn 96 Rxn
Catalog No. 501024 501096
GamS Purified Nuclease Inhibitor Protein 25µL GamS protein(150µM) 80µL GamS protein(150µM)

 myTXTL TOOLBOX 2.0 プラスミドコレクション
タンパク質生産を最適化するために、さまざまなプロモーターとオープンリーディングフレーム(ORF)を備えた100以上のプラスミドを提供しています。ORFには、複雑な遺伝子回路を構築するための転写因子、TXTLモジュレーター、蛍光レポータータンパク質の幅広い選択肢が含まれています。

       ラインナップ一覧をエクセルにてダウンロードいただけます。 

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FAQ



カテゴリ内開閉
  • myTXTL Sigma 70 Master Mix kitとmyTXTL Linear DNA Expression kitの違いは何ですか?

    myTXTL Linear DNA Expression kitはmyTXTL Sigma 70 Master Mix kitを基に作られていますが、安定剤を追加で添加することなく、線状DNAテンプレートを使⽤した可溶性および膜タンパク質産⽣を効率的に⾏えるように設計されています。最適化されたMaster mixに線状DNAテンプレートを加えるだけで、タンパク質の合成が可能です。
    myTXTL Linear DNA Expression kitで環状DNAテンプレートを使用できますか?

    使用可能です。myTXTL Linear DNA Expression kitは線状DNAテンプレートと環状DNAテンプレートどちらも使用することができます。
    myTXTL Linear DNA Expression kitを誤って室温/冷蔵(4℃)で保管してしまいましたが、使用可能ですか?

    残念ながら、保管温度によってkitの性能が大幅に低下したり、機能が失われたりする可能性があります。キットの性能を最大限に保つには、-80℃で保管を行い、使用後もできるだけ早めに凍結してください。
    myTXTL Linear DNA Expression kitを凍結融解することによって、タンパク質生産効率は下がりますか?

    凍結融解による繰り返しの使用は最小限に抑えることを推奨します。myTXTL Linear DNA Expression kitの凍結融解による繰り返し使用は、最大5回までタンパク質の生産効率に影響がないことがメーカーで確認されています。
    大腸菌用にコドン最適化がされていない、真核生物由来の遺伝子を発現させることができますか?

    可能です。myTXTL Linear DNA Expression kitには不要な翻訳停止を防ぐために、大腸菌ではほとんど使用されることの無い7つのコドン(AGA, AGG, AUA, CUA, GGA, CCC, CGG)に対応するtRNAが含まれています。
    myTXTLシステムを使用する場合、どのような設計のパラメーターを考慮すべきですか?

    myTXTLプラットフォームは、コアRNAポリメラーゼと主要シグマ因子70(σ70)を利用する大腸菌の内因性転写および翻訳機構に完全に依存しているため、例えばP70aベクターに見られるプロモーターのように、全ての遺伝子はσ70特異的プロモーターの下流にクローン化する必要があります。機能的な遺伝子カセットを構築する方法に関して、より一般的なアドバイスについては、my TXTLHandbookをご覧ください。
    myTXTL Handbook: https://arborbiosci.com/wp-content/uploads/myTXTL-Handbook-v01.pdf
    myTXTL反応用のプラスミドテンプレートを準備する方法についての推奨事項はありますか?

    invitroタンパク質生産の効率は、テンプレートDNAの品質に大きく依存し、ヌクレアーゼ(DNase、RNase)およびTXTL機構の阻害剤(EDTA、臭化エチジウム、SDS、Cl-イオン、エタノールなど)を含んでいないDNAを用いることが効率的です。標準的な市販のキットを使用したプラスミドDNAの調製には、通常、RNaseによるサンプル処理が含まれますが、ダウンストリーム処理中に完全に除去されない場合があります。 したがって、調製したDNAを市販のPCRクリーンアップキットまたは標準的なフェノール-クロロホルム抽出とエタノール沈殿のいずれかにかけることを強くお勧めします。テンプレートDNAはヌクレアーゼフリーの水で懸濁することが理想的です。
    ※Mg2+イオンおよびK+イオンは転写と翻訳に非常に重要であり、myTXTLシステムですでに最適化されています。さらに添加してしまうとキットのパフォーマンスが低下する可能性があるため、ご注意ください。
    緑色蛍光タンパク質(eGFP) とdeGFPの違いは何ですか?

    deGFPは、レポーターeGFPのN末端およびC末端が切り詰められたバージョンであり、無細胞システムでより翻訳可能です。励起スペクトルと発光スペクトルや蛍光特性はどちらも同じです。
    myTXTL Linear DNA Expression Mixを解凍して遠心分離をした後、チューブの底に小さなペレットがあります。 これは普通ですか?

    問題ありません。 製造工程上、小さなペレットが見える場合があります。 TXTL反応をセットアップするために、分注前に、Linear DNA Expression Mixを完全に再懸濁することが重要です。
    目的のタンパク質がT7プロモーターシステムの転写制御下にあります。 myTXTL kitを使用してタンパク質を発現することは可能でしょうか?

    可能です。例えばP70a-T7rnapのようなσ70特異的プロモーターの転写制御下にあるT7RNAポリメラーゼをコードするプラスミドする追加することだけが必要となります。このプラスミドは、その他何百のプラスミドと共にToolbox 2.0 Plasmid Collectionの一つで、単体で購入することも可能です。P70a-T7rnapの最適濃度は、通常0.1 nM〜1nMです。高濃度では基本的にタンパク質の収量は増加しません。タンパク質発現を効率的に行うための重要なパラメーターは、T7プロモーターの下流にある目的のタンパク質をコードするプラスミドの濃度で、最適濃度は5〜20nMの範囲になります。
    myTXTL反応をインキュベートするのに、どの機器がお勧めですか(インキュベーター, サーモブロックやウォーターバスなど)?

    反応量が12μLと小さいため、反応チューブの蓋に水が結露してmyTXTL成分の濃度が大幅に高くなってしまうのを避けることが非常に重要です。濃度が高すぎると、再現性のないキットのパフォーマンスが発生する可能性があります。
    一般的に、水は空気よりも熱伝達が良く、ウォーターバスは低い温度変動を示すため、ウォーターバスを使用してチューブ全体を取り巻く環境が一定の温度となるようにすると、再現性と歩留まりが向上します。
    コントロールタンパク質deGFPを合成することはできましたが、目的のタンパク質がmyTXTLを用いて低収量、または発現していません。 何かできることはありますか?

    以下がタンパク質生産効率に影響を与える要因です。

    • 遺伝子カセットの構築(プロモーター強度、アフィニティータグの位置、TXTLエレメント)
    • DNAの純度
    • DNA濃度
    • インキュベーションの温度と時間
    • フォールディングヘルパー、シャペロン、酸化剤の存在

    最適化のために評価する必要があります。
    myTXTL Handbookのテンプレートデザインに関する推奨事項もご参照ください。
    myTXTL Handbook: https://arborbiosci.com/wp-content/uploads/myTXTL-Handbook-v01.pdf
    目的のタンパク質が活性していない、または凝集している場合、どうすればよいでしょうか?

    リコンビナントタンパク質が活性するために、重金属イオンや補酵素のような補因子を必要とするかどうかを検討してください。補因子はタンパク質合成中に存在する必要があります。さらに、低濃度の界面活性剤(Triton-X-100、ドデシル硫酸ナトリウム、またはCHAPSなど)を分子シャペロンと同様に反応に加えることができます。myTXTLプラットフォームでは、タンパク質にグリコシル化やリン酸化などの翻訳後修飾を導入できないため注意してください。 インキュベーション温度を下げると、発生期のポリペプチド鎖の凝集を防ぎ、適切なタンパク質フォールディングを促進する可能性があります。
    myTXTLシステムはジスルフィド結合の形成を促進しますか?

    残念ながら促進はしませんが、これまでの研究により、無細胞系に還元型(GSH)と酸化型グルタチオン(GSSG)、ジスルフィド結合イソメラーゼC(DsbC)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、および/またはシャペロン(DnaK、DnaJ、GroEL、GroESなど)の混合物を補充すると、ジスルフィド架橋の形成が促進することが示されています。 さらに、細胞抽出物に存在する内因性レダクターゼを不活性化するためのヨードアセトアミド(IAM)による前処理も役立つ可能性があります(Review Article:Stech M&Kubick S, Antibodies 2015, 4, 12-33)。
    インキュベーションが完了した後、myTXTL反応液を凍結できますか?

    サンプルの取り扱いと保管は、主に目的の分子(タンパク質、DNA、RNA)の安定性によって決定されるため、最適な条件を評価する必要があります。サンプルの完全性を保つために、インキュベーションを行った直後にmyTXTL反応を処理するか、-20°C以下で保存することをお勧めします。
    myTXTLシステムをタンパク質生産に使用する場合、TXTL反応を実行した後にサンプルを分析するにはどのような方法がありますか?

    Coomassieで染色したSDS-PAGEを行い、ウエスタンブロット法を用いるといった標準的な生化学的方法とは別に、無細胞タンパク質生産の大きな利点は、直接的な定量ができる点、および/またはアフィニティータグが存在する場合にアフィニティー精製によるダウンストリーム処理ができる点です。
    SDS-PAGE分析を選択した場合は、TXTL反応から直接少量のサンプル(1〜3µL)を採取するか、バックグラウンドシグナルを低減するために、標準プロトコルに従ってTCA /アセトンまたは酢酸アンモニウム/メタノールを用いることでタンパク質を沈殿させることができます。
    deGFP / eGFPを定量するために使用する蛍光リーダーの設定に関して、推奨事項はありますか?

    励起波長と発光波長がdeGFP / eGFPの蛍光特性と一致していることが最も重要です。
    (例:λEm488nm、λEx535nm)。 読み取りモード、積分時間、ゲイン値などその他のリーダー設定は、ウェル間の蛍光読み取りの再現性が高くなるように考慮して選択する必要があります。






カテゴリ内開閉
  • myTXTL Sigma 70 Master Mixを誤って室温/冷蔵(4℃)で保管してしまいましたが、使用可能ですか?

    残念ながら、保管温度によってkitの性能が大幅に低下したり、機能が失われたりする可能性があります。キットの性能を最大限に保つには、-80℃で保管を行い、使用後もできるだけ早めに凍結してください。
    myTXTL Sigma 70 Master Mixを凍結融解することによって、タンパク質生産効率は下がりますか?

    凍結融解による繰り返しの使用は最小限に抑えることを推奨します。myTXTL Linear DNA Expression kitの凍結融解による繰り返し使用は、最大5回までタンパク質の生産効率に影響がないことがメーカーで確認されています。
    大腸菌用にコドン最適化がされていない、真核生物由来の遺伝子を発現させることができますか?

    可能です。myTXTL Sigma 70 Master Mixには不要な翻訳停止を防ぐために、大腸菌ではほとんど使用されることの無い7つのコドン(AGA, AGG, AUA, CUA, GGA, CCC, CGG)に対応するtRNAが含まれています。
    myTXTL Sigma 70 Master Mixシステムを使用する場合、どのような設計のパラメーターを考慮すべきですか?

    myTXTLプラットフォームは、コアRNAポリメラーゼと主要シグマ因子70(σ70)を利用する大腸菌の内因性転写および翻訳機構に完全に依存しているため、例えばP70aベクターに見られるプロモーターのように、全ての遺伝子はσ70特異的プロモーターの下流にクローン化する必要があります。
    機能的な遺伝子カセットを構築する方法に関するより一般的なアドバイスについては、my TXTL Handbookをご覧ください。
    myTXTL Handbook: https://arborbiosci.com/wp-content/uploads/myTXTL-Handbook-v01.pdf
    myTXTL Sigma 70 Master Mix反応用のプラスミドテンプレートを準備する方法についての推奨事項はありますか?

    invitroタンパク質生産の効率は、テンプレートDNAの品質に大きく依存し、ヌクレアーゼ(DNase、RNase)およびTXTL機構の阻害剤(EDTA、臭化エチジウム、SDS、Cl-イオン、エタノールなど)を含んでいないDNAを用いることが効率的です。標準的な市販のキットを使用したプラスミドDNAの調製には、通常、RNaseによるサンプル処理が含まれますが、ダウンストリーム処理中に完全に除去されない場合があります。 したがって、調製したDNAを市販のPCRクリーンアップキットまたは標準的なフェノール-クロロホルム抽出とエタノール沈殿のいずれかにかけることを強くお勧めします。テンプレートDNAはヌクレアーゼフリーの水で懸濁することが理想的です。
    ※MgイオンおよびKイオンは転写と翻訳に非常に重要であり、myTXTLシステムですでに最適化されています。さらに添加してしまうとキットのパフォーマンスが低下する可能性があるため、ご注意ください。
    緑色蛍光タンパク質(eGFP) とdeGFPの違いは何ですか?

    deGFPは、レポーターeGFPのN末端およびC末端が切り詰められたバージョンであり、無細胞システムでより翻訳可能です。励起スペクトルと発光スペクトルや蛍光特性はどちらも同じです。
    myTXTL Sigma 70 Master Mixを解凍して遠心分離をした後、チューブの底に小さなペレットがあります。 これは普通ですか?

    問題ありません。 製造工程上、小さなペレットが見える場合があります。 TXTL反応をセットアップするために、分注前に、Sigma 70 Master Mixを完全に再懸濁することが重要です。
    目的のタンパク質が7プロモーターシステムの転写制御下にあります。 myTXTL Sigma 70 Master Mix kitを使用してタンパク質を発現することは可能でしょうか?

    可能です。例えばP70a-T7rnapのようなσ70特異的プロモーターの転写制御下にあるT7RNAポリメラーゼをコードするプラスミドだけ追加することが必要です。このプラスミドは、その他何百のプラスミドと共にToolbox 2.0 Plasmid Collectionの一つで、単体で購入することも可能です。P70a-T7rnapの最適濃度は、通常0.1 nM〜1nMです。高濃度では基本的にタンパク質の収量は増加しません。 タンパク質発現を効率的に行うための重要なパラメーターは、T7プロモーターの下流にある目的のタンパク質をコードするプラスミドの濃度で、最適濃度は5〜20nMの範囲になります。
    myTXTL® Sigma 70 Master Mixは線状DNAテンプレートでも機能しますか?

    線状DNAテンプレート用に最適化されていませんが、使用することは可能です。Sigma 70 Master Mixにヌクレアーゼ阻害剤GamSを添加することで、タンパク質の収量を大幅に向上させることができます。
    myTXTL反応をインキュベートするのに、どの機器がお勧めですか(インキュベーター、サーモブロックやウォーターバスなど)?

    反応量が12μLと小さいため、反応チューブの蓋に水が結露してmyTXTL成分の濃度が大幅に高くなってしまうのを避けることが非常に重要です。濃度が高すぎると、再現性のないキットのパフォーマンスが発生する可能性があります。
    一般的に、水は空気よりも熱伝達が良く、ウォーターバスは低い温度変動を示すため、ウォーターバスを使用してチューブ全体を取り巻く環境が一定の温度となるようにすると、再現性と歩留まりが向上します。
    myTXTLのP70a-deGFPプラスミドからポジティブコントロールタンパク質deGFPが合成できないのですが、なぜですか?

    試薬の保管方法が適切でなく機能を失っている可能性が考えられます。Sigma 70 Master Mixは-80℃で保管し、凍結融解サイクルの数を最小限に抑える必要があります。また、ヌクレアーゼによりmy TXTL kitが汚染されている可能性がございます。ヌクレアーゼ汚染を避けるために、手袋を着用し、ヌクレアーゼフリーの水、滅菌済みのチップとチューブを使用してください。
    myTXTL HandbookでmyTXTL kitを用いる際の推奨事項を確認してください。
    myTXTL Handbook: https://arborbiosci.com/wp-content/uploads/myTXTL-Handbook-v01.pdf
    プラスミドDNAテンプレートを使用して、コントロールタンパク質deGFPを合成することはできましたが、目的のタンパク質がmyTXTLを用いて低収量、または発現していません。 何かできることはありますか?

    以下がタンパク質生産効率に影響を与える要因です。

    • 遺伝子カセットの構築(プロモーター強度、アフィニティータグの位置、TXTLエレメント)
    • プラスミドの純度
    • プラスミド濃度
    • インキュベーションの温度と時間
    • folding helpers、chaperone、酸化剤の存在

    最適化のために評価する必要があります。
    myTXTL Handbookのテンプレートデザインに関する推奨事項もご参照ください。
    myTXTL Handbook: https://arborbiosci.com/wp-content/uploads/myTXTL-Handbook-v01.pdf
    目的のタンパク質が活性していない、または凝集している場合、どうすればよいでしょうか?

    リコンビナントタンパク質が活性するために、重金属イオンや補酵素のような補因子を必要とするかどうかを検討してください。補因子はタンパク質合成中に存在する必要があります。さらに、低濃度の界面活性剤(Triton-X-100、ドデシル硫酸ナトリウム、またはCHAPSなど)を分子シャペロンと同様に反応に加えることができます。myTXTLプラットフォームでは、タンパク質にグリコシル化やリン酸化などの翻訳後修飾を導入できないため注意してください。 インキュベーション温度を下げると、発生期のポリペプチド鎖の凝集を防ぎ、適切なタンパク質フォールディングを促進する可能性があります。
    myTXTLシステムはジスルフィド結合の形成を促進しますか?

    残念ながら促進はしませんが、これまでの研究により、無細胞系に還元型(GSH)と酸化型グルタチオン(GSSG)、ジスルフィド結合イソメラーゼC(DsbC)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、および/またはシャペロン(DnaK、DnaJ、GroEL, GroESなど)の混合物を補充すると、ジスルフィド架橋の形成が促進することが示されています。 さらに、細胞抽出物に存在する内因性レダクターゼを不活性化するためのヨードアセトアミド(IAM)による前処理も役立つ可能性があります(Review Article:Stech M&Kubick S, Antibodies 2015, 4, 12-33)。
    プラスミドDNAのバッチによって、タンパク質の収量が異なるのはなぜですか?

    プラスミド溶液中に存在するTXTLの様々な阻害剤により、バッチ間の変動が生じる可能性があります。myTXTL Handbookに記載されている、TXTL反応のテンプレート用にプラスミドDNAを調製する方法に関する推奨事項に従って、調整を行ってください。
    インキュベーションが完了した後、myTXTL反応を凍結できますか?

    サンプルの取り扱いと保管は、主に目的の分子(タンパク質、DNA、RNA)の安定性によって決定されるため、最適な条件を評価する必要があります。サンプルの完全性を保つために、インキュベーションを行った直後にmyTXTL反応を処理するか、-20°C以下で保存することをお勧めします。
    myTXTLシステムをタンパク質生産に使用する場合、TXTL反応を実行した後にサンプルを分析するにはどのような方法がありますか?

    Coomassieで染色したSDS-PAGEを行い、ウエスタンブロット法を用いるといった標準的な生化学的方法とは別に、無細胞タンパク質生産の大きな利点は、直接的な定量ができる点、および/またはアフィニティータグが存在する場合にアフィニティー精製によるダウンストリーム処理ができる点です。
    SDS-PAGE分析を選択した場合は、TXTL反応から直接少量のサンプル(1〜3µL)を採取するか、バックグラウンドシグナルを低減するために、標準プロトコルに従ってTCA /アセトンまたは酢酸アンモニウム/メタノールを用いることでタンパク質を沈殿させることができます。
    deGFP / eGFPを定量するために使用する蛍光リーダーの設定に関して、推奨事項はありますか?

    励起波長と発光波長がdeGFP / eGFPの蛍光特性と一致していることが最も重要です。
    (例:λEm488nm、λEx535nm)。 読み取りモード、積分時間、ゲイン値などその他のリーダー設定は、ウェル間の蛍光読み取りの再現性が高くなるように考慮して選択する必要があります。


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【 アプリケーション別 】







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