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実験小動物用パルスオキシメータ

MouseOx® PLUS

マウスラット

実験小動物用パルスオキシメータ

実験小動物(マウス・ラット)専用のパルスオキシメータ

米国 STARR LifeSciences社製 実験小動物用パルスオキシメータ MouseOx® PLUSは、マウス・ラット専用に設計された、パルスオキシ
メータです。

手のひらサイズのコントロールボックス(USB接続)に、無侵襲のクリップ
タイプセンサーという、非常にシンプルなシステム構成を実現。

セットアップから僅か数秒内に、お手持ちのPC上で、
『動脈血酸素飽和度』・『心拍数』・『呼吸数*1』・『体温*2』・
『活動量*2・*3』のリアルタイムモニタリングを開始することができます。

手術中のバイタルサインモニタリング、麻酔・ベンチレーション 管理に、
その他循環・呼吸研究におけるツールとして、あらゆる動物実験の場で
ご活用頂けます。

世界で1,000台以上*4のデバイスが使用されています。

*1 呼吸数の算出 : 麻酔下での実験の場合
*2 オプション(直腸温プローブ使用)
*3 活動量は、覚醒下用オプション使用時に利用可
*4 MouseOxモデルを含む納入台数。MouseOx PLUSモデルは、
  MouseOxモデルの後継機種として2011年に発売されました。

特長

  • キャリブレーションフリー・容易な操作による無侵襲/リアルタイム計測
    システム起動後、クリップセンサーを装着するだけで、リアルタイム計測をただちに実行可能です。
  • 実験小動物に特化した計測
    動脈血酸素飽和度 ▪ 心拍数 ▪ 呼吸数 ▪  Pulse Distention ▪ Breath Distention の5つのパラメータが計測でき、中でも、心拍数は900回/min、呼吸数は450回/minまで計測可能で、実験小動物の計測に特化しています。
  • 覚醒下動物の計測も可能
    テザー環境下で覚醒下動物の計測も可能です。
    専用の覚醒下ケージセット(電気シーベルシステムを含む)が用意されています。
  • データの品質管理機能
    信頼性の低いデータを自動検出し、エラーコードを記録する機能を備えています。
  • 麻酔深度等のアラーム設定機能
    各パラメータに対する上下閾値指定や、 Pulse Distention / Breath Distention の比率または、
    心拍/呼吸数の比率を指定することで麻酔深度のアラーム設定をする機能を備えています。

    ※画面サンプル(クリックすると大きな画像を表示できます)
  • イベントマーカーの挿入
    データ記録中にイベントマーカーを挿入することが可能です。
    (データファイル1つあたり、最大50個まで)
  • アナログ信号出力可能
    オプションのSTARR-Link™ を利用することで、測定パラメータのアナログ信号出力も可能です。

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製品原理

≪ 動脈血酸素飽和度の算出 ≫
一般的なパルスオキシメータと同様、赤色光 ▪ 赤外光を用い、血液中のヘモグロビンの酸化度合による光の吸収変化から算出します。
ヘモグロビンは、酸化することにより赤外光の吸収が増え、逆に赤色光の吸収が減ります。一方、ヘモグロビンが還元することにより赤色光の吸収が増え、逆に赤外光の吸収が減ります。
この性質を利用し、対象動物の計測部位(頸部または、後肢大腿部、後肢掌部等)をセンサークリップで挟み、発光ダイオード (LED) による赤色光 ▪ 赤外光の照射と、フォトダイオードによる、透過した光の検出を行います。 フォトダイオードで検出した赤色光と赤外光の光の強度の比から、酸素飽和度を求めることができます。

検出した赤色光 ▪ 赤外光の信号波形のディスプレイの他、算出された酸素飽和度等の波形 ▪ 数値が、ソフトウェアのモニタリング画面に表示されます。(右下画像参照。クリックすると大きな画像を表示できます)

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≪ 心拍数の算出 ≫
フォトダイオードで検出した赤外光信号を高速フーリエ変換 (FFT) し、最大ピークを持つ周波数帯を抽出することにより、心拍数を算出します。

≪ 呼吸数の算出 ≫
フォトダイオードで検出した赤外光信号の高速フーリエ変換 (FFT) 後の信号から、心拍動に関連する成分を除去(最大ピークより大きい周波数帯にかけての信号を心拍動関連とし、それらを除去)し、最大ピークより小さな周波数帯における最大ピークを呼吸関連信号とすることにより、呼吸数を算出します。


≪ Pulse Distention / Breath Distentionの算出 ≫
上記の信号成分を、酸素飽和度の算出と共に、光の物質による吸収を定式化した、ランベルト・ベールの法則(Beer′s law) を用いて計算し、距離単位(μm)で表したものが Pulse Distention / Breath Distention です(表示される数値は平均化されます)。
∗右上画面は、呼吸の振幅(oscillation) ▪ 呼吸信号の周波数を表す Bleath Plethysmograph に、心拍数と呼吸信号の合成波形を重ねて表示した画面です。

Pulse Distention は、 SpO2 計測時、計測するのに充分な量の血流が存在するかどうかの指標に利用すると共に、
末梢血流における、心拍動または血管の状態の影響を受けた変化をモニタリングする為に利用します。
Breath Distention は、動物の呼吸のしやすさの状態を確認するために利用でき、麻酔深度やベンチレータの管理に
おいて有用です(閾値によるアラーム設定も可能)。 また、それぞれ、脈拍圧 ▪ 胸腔内圧の代用指標としての利用可能性も考えられます。

≪ 体温の算出 ≫
直腸温用プローブを使用して検出した温度を、リアルタイムで表示します。単位は、℃(デフォルト)またはFを選択可能です。

≪ 活動量の算出 ≫
活動量は、動物の体動有無の指標(0または1)検出となります。∗覚醒下用オプション使用時に利用可能です。
利用時は、PulseDistentionの代わりに活動量(0または1)が表示されます。

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センサーラインナップ

■ Collarタイプセンサー (覚醒下・麻酔下用)
サイズ種類 XS S M L XL 2XL
適用動物種 マウス




ラット
目安体重
【マウス】
剃毛なし 1-15g >15g



剃毛あり 1-20g >20g



目安体重【ラット】
5-30g 31-100g 101-300g 301-500g >500g
咽喉部用(麻酔下)
※持手部:白色○
頸背部用(覚醒下)
※持手部:青色○
センサーは、測定品質を維持するため、100時間をもって使用寿命となります(使用寿命時間が近づくと、ソフトウェア上でアラートが表示されます。計測途中で計測が中断されることはありません)。
Collarタイプセンサーには、頸部周りの除毛を行い易くするため、また、 計測前に動物をクリップ装着 状態に慣れさせるためのブランククリップが付属します。
MouseOxPLUS本体システムご購入時、任意サイズ・モデルのクリップをご指定下さい(標準2個付属)。追加・交換用として、各5個入でも販売しております。


■ 大腿部・足用センサー (麻酔下用)
マウス用(大腿部) ラット用(足部)

目安体重:<60g
※ラット≦100gも可

目安体重>100g
※マウス大腿部・ラット足部用センサーは、Non-Magneticタイプもございます。


■ マウス掌用センサー 
黒マウス等をご使用の際、除毛したくない場合に適しています。
・体重5g以上のマウスで使用可能。
  (被験動物の掌が、3mm角のフォトダイオードを覆えれば使用可能)
・適用機種:MouseOxPLUS
・適用ソフトウェアバージョン:v1.5.13~



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デモンストレーション動画

画像または文字をクリックすると、Youtubeサイトに遷移します。

MouseOx PLUS センサー
センサー(マウス掌用)  (4:47) センサー  (8:01)
 
マウスでの使用
覚醒下でのモニタリング  (19:34) 新生児マウス  (10:03) 麻酔下マウス(黒色)  (7:26)
麻酔下マウス(白色)  (17:16)
 
ラットでの使用
覚醒下  (17:25) 麻酔下  (6:47)

※ナレーション:英語
※( )内の時間は動画の長さです。(mm:ss)



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アプリケーション

手術中のバイタルサインモニタリング、麻酔管理、循環 ▪ 呼吸研究(COPD ▪ 肺気腫等のモデル動物作成時、酸素飽和度のモニタリングによる換気能評価等)におけるツールとして、あらゆる動物実験の場でお使い頂けます。

  • インフルエンザ・肺炎・SARS-CoV-2・RSV(呼吸器合胞体ウイルス、RSウイルス:respiratory syncytial virus)、
    その他急性呼吸器障害
  • 肺損傷、機械的人工換気
  • 肺癌・COPD・睡眠時無呼吸症候群、その他慢性呼吸器障害
  • ショック・モデル
  • 脳卒中及び脳外傷
  • 高血圧・低血圧、その他心血管疾患
  • 低酸素及び吸入研究
  • イメージング実施中のバイタルサインモニタリング
  • 麻酔下手術・実験中のバイタルサインモニタリング
  • 薬理学及び毒性学



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システム構成・仕様

■ MouseOx® PLUS構成品  
▪ MouseOx PLUS本体 
▪ ユニバーサル ▪ ケーブル (180cm)  
▪ クリップセンサー×2個  (サイズ・種類を選択)  
▪ USB2.0ケーブル(3.6m)  ▪ 120V電源アダプタ  
▪ ソフトウェアCD(標準付属:ベーシックモニタリングモード)  
▪ 取扱説明書

■ MouseOx® PLUS仕様
原理 ▪ 方式 発光ダイオード(LED)により赤色光 ▪ 赤外光を計測部位組織に透過させ、
フォトダイオードで 検出 (透過型)
電源供給仕様 100-240 VAC / 50-60 Hz
作動電圧   12 VAC
アナログ出力(*) +/- 5V リアルタイム Pulse Pleth 信号出力
データ出力形式 テキストまたはWindaq形式(**)
(*) アナログ出力はオプションです。
(**)MouseOx® には、Dataq Instruments 社製 Windaq データ取得 ▪ 解析ソフトウェアが付属しています。

MouseOx® PLUS本体サイズ ▪ 重量 15.2 x 11.8 x 3.8 cm / 312g
ユニバーサルケーブル長さ 1.8 m
USBケーブル長さ 3.6 m
電源アダプタケーブル長さ 1.9 m
遮光シートサイズ 12.5 x 10 cm

■ コンピュータ要件
CPU Pentium Core i3 クラス以上
メモリ 8MB 以上
ポート USB 2.0/3.0 x1(Multiplexer/StarrLinkは別途必要)
ディスプレイ解像度 1024 x 768 pixels以上
OS Windows 8.1/10 (32bit・64bit) 
※2022年5月現在、XP, Vista, 7と互換性がありますが、予告なく変更される場合があります。


■ 計測パラメータ仕様

≪ 動脈血酸素飽和度 SpO2 ≫
計測時脈拍条件 90~900BPMの範囲内
計測範囲 SpO2:0~100%
分解能 1.5% 以下(計測範囲内同一)
応答時間 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎)


≪ 心拍数 Pulse Rate ≫
計測範囲 90~900BPMの範囲内
応答時間 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎)


≪ 呼吸数 Breath Rate ≫
計測範囲 25~450BrPMの範囲内
応答時間 1.7秒毎 (更新時前10呼吸に対する移動平均)


≪ Pulse Distension ≫
計測範囲 0~800μmの範囲内
応答時間 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎)


≪ Breath Distension ≫
計測範囲 0~800μmの範囲内
応答時間 1.7秒毎 (更新時前10呼吸に対する移動平均)


≪ Body Temparature ≫
計測範囲 15~℃の範囲内 (60~120Fの範囲内)
分解能 +/-0.1℃(+/-0.1F)
応答時間 心拍毎 (ソフトウェア画面の更新:0.72秒毎)


※ Premium/Recordingソフトウェアオプションをご購入頂くと、以下の機能もご利用頂けます。
・各パラメータのリアルタイム波形画面表示・イベントマーカー機能
・計測データの記録・保存・エクスポート
・シグナルの平均化演算・平均データの保存・エクスポート

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オプション・関連製品

■ アナログ出力デバイス STARR-Link
STARR-Link™ は、 MouseOx® にて計測したパラメータをアナログ信号として出力するためのデバイスモジュールです。MouseOx® で計測したデータは、USB接続にてデジタル取得される為、他のデータ取得 ▪ 解析システム等にデータを統合する場合には、このデバイスをご利用下さい。(分解能:16bit、出力レート:15Hz)

■ MouseOx PLUSマルチプレクサ
MouseOx PLUSマルチプレクサ は、8または16システムを同時にセットアップしておき、チャネルの切り替えによって、複数動物の計測を迅速に行うことができるようにするためのデバイスです。


■ 直腸温センサ
プローブはマウス・ラット兼用で、麻酔下・覚醒下いずれにおいても利用可能です。
マルチプレクサ使用時にもご利用いただけます。


■ 覚醒下計測セット (MOX-STCME-M/MOX-STCME-R)
覚醒下計測用セットは、テザーシステムです。
構成品:ケージのほか、動物が動き回ってもセンサーケーブルが絡まないようにするための、電気シーベルシステム(ワイヤー・ワイヤーハンガー・おもり・Commutator(整流器))がセットになっています。(Instech社製アーム付)

※Instech社製のケージ(STANK・MTANK)・アーム(SMCLA・MCLA)をすでにお持ちのお客様向けに、ケージ・アーム以外の必要品がセットになったキットもございます。
(型式:MOX-STCME-HDW)



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オンデマンドWebinar

前臨床研究における重要な視点:実験小動物の麻酔とバイタルモニタリングの最新情報
Webinar画面イメージ
(ライブ実施日:2023/11/16)

前臨床研究において用いられる実験小動物、特にマウスやラット、ハムスターといった小型げっ歯類に全身麻酔を施す際は、過麻酔や体温低下による死亡事故や覚醒後の予後不良のリスクを抑制するために、心拍数や呼吸、体温といったバイタルサインを適切にモニタリングすることが推奨されています。

本セミナーでは、国立国際医療研究センター研究所動物実験施設 岡村匡史 先生をお招きし、基礎研究における小型げっ歯類の麻酔法とその有用性についてご講演いただきます。また、弊社プライムテックが取り扱うバイタルモニタリングソリューションについてもご紹介いたします。

▼演題1
小型げっ歯類の麻酔法 〜実験目的に沿った麻酔薬の選択〜
 岡村 匡史先生 (国立国際医療研究センター)

(要旨)
全身麻酔は、薬物を中枢神経に作用させることで、可逆的に鎮痛、筋弛緩、意識の喪失ならびに自律神経反射を喪失した状態にし、手術時の肉体的および精神的苦痛を取り除くために実施される。麻酔に用いる薬物は全ての作用を均一に持っていないため、通常は作用点が異なる様々な鎮静薬・鎮痛薬などを併用する。また、麻酔薬は少なからず実験データに影響を与えることから、実験者は実験目的、手術の侵襲度を考慮し、適切な麻酔薬を選択する必要がある。

注射麻酔薬は麻酔薬の投与後の麻酔深度調整が難しいとされてきたが、作用時間が短い麻酔薬や拮抗薬を使用することで、麻酔深度の調節も比較的容易になった。吸入麻酔薬は、マウス・ラット専用の気化器が開発されたことでより使いやすくなり、X線CT装置や超音波装置を用いた撮影時の不動化、さらには麻酔下で採血やtail biopsyを行うと、動物への苦痛を軽減するだけでなく、作業効率が高まり、かつ咬傷などのリスクを軽減することができる。

実験目的に沿った麻酔薬を選択するためには、各麻酔薬の特徴を知っておく必要があり、本セミナーでは、マウス・ラットで使用される麻酔薬について、実例を挙げて概説したい。

▼演題2
実験小動物専用にデザインされたバイタルモニタリングシステムの活用
 田邉 充樹 (プライムテック株式会社)

(要旨)
 小型げっ歯類における最新の非侵襲モニタリングシステムを2つご紹介します。これらの革新的なモニタリングシステムにより、小型げっ歯類の安全な麻酔管理、麻酔下および覚醒下の生理学計測における正確性と妥当性を高める活用事例についてご紹介します。

※画像をクリックすると、別タブが開きます。お客様情報をご入力の上、視聴下さい。

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  • STARR Life Sciences Corporation

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